ネットとリアルでの販売が成長の鍵に

2022年2月からサービスを開始した「パッとOisix」

　最後に今後の展望を神田氏に聞いた。Kit Oisixは累計1億食を突破したとはいえ、まだまだ需要喚起や新規のチャネル開拓もしていく見込みだという。

「EC販売に加え、2012年からは大手スーパーにもKit Oisixを卸すようになりました。お客様がリアルで商品と出会うことで、Kit Oisixの魅力を知ってもらう機会を創出できればと考えています。また最近では、ベビー・キッズ用品専門店のアカチャンホンポと連携したことで、さらなる認知度向上につながると想定しています。そのほかにも、ディズニーとコラボしたミールキットを販売してエンタメ要素を取り入れたりと、親和性のある異業種とのタイアップ施策も実施していきたいです」

　ターゲットについても、メインとなる共働き世帯以外の一人暮らし世帯に向けた商品も企画していくそうだ。

「一人暮らし向けにアプローチしていくため、まずはオイシックスの会員向けに『パッとOisix』というサービスを2022年2月から開始しています。従来の冷凍食品とは異なり、全ての商品に野菜を5種類以上入れることで、栄養バランスを保っています。かつ、冷凍食品ならではのストック需要にも応えられる商品で、共働き世帯から一人暮らしの方まで幅広いライフスタイルにマッチすると考えています」

　コロナ禍で消費者志向が変化するなか、時流に合わせてさまざまな商品を展開するオイシックス。直近の苦難を乗り越え、さらなる事業拡大に向けて着々と前進している。今後の発展に期待したい。

＜取材・文・撮影／古田島大介＞