2匹の犬が取った行動とは

　本田さんは途中から来た犬のせいで話に集中できなくなります。すると、さらに2匹目も足元に来てしまい……。

「足元でじゃれているだけならいいのですが、徐々に2匹の興奮がエスカレートしていき、私の足元で腰を振り出したんです。2匹を抑えるために足で挟もうとしたのですが、なかなか離れず。ゴソゴソと机の下で動く音がご両親に聞こえるんじゃないかって、気が気じゃなくて」

　せっかくの喜ぶべき瞬間ですが、犬のせいで楽しいはずの雑談もしどろもどろになってしまったとか。本田さんを混乱させたのは、これだけではありませんでした。

「どうにかやめさせようと必死でした。ですが、次第に激しく腰を振る音が大きくなってきて。音に気づいたお母さんが机の下を見ました。『やばい！』と思ったのですが、2匹の犬が腰を振っている姿を見られてしまいました」

気まずい空気が流れ…

　夫の実家にいる犬を粗末には扱えない本田さん。腰を振る自分の犬を目の当たりにしたお母さんは、驚きを隠せません。

「私の足元を見たお母さんが『あら！』と声を上げたと同時に、お父さんと夫も机の下を覗きました。そしてご両親は苦笑いし、誰も何も言いませんでした。まだ冗談を言える仲でもなかったので、とても気まずい空気が流れてしまい、それを察した夫は『じゃあ、帰ろうか』と一言言いました。

　恥ずかしさから顔が真っ赤になった状態で、夫の実家を後にすることになってしまいました。今でもご両親と会うときは、お互いにこの話題には触れずにいます。いつか笑い話になればいいんですけどね……」

　気まずいハプニングが起きたとき、とっさに気の利いた一言を言えたらいいのですが、なかなかそうもいきませんよね。

＜TEXT／Honoka Yamasaki　イラスト／zzz（ズズズ）@zzz_illust＞

－［動物・ペットの忘れられない話］－