ただの口論のはずが…中東問題を知るための法廷エンターテインメント
テレビやネットなど、さまざまなメディアを通して日々のニュースを追っていても、それだけではその背景に潜んでいる部分までは読み取れないもの。
なかでも、日本人にとってなかなか理解が難しいといわれているのが中東問題。
そんなときこそ、映画から世界情勢を知るのがオススメです。そこで今回は、レバノンから届いた話題作『判決、ふたつの希望』をご紹介します。
些細な口論が国を揺るがす騒ぎに
舞台となるのは、レバノンの首都ベイルート。
違法建築の補修作業を行っていたパレスチナ人の現場監督ヤーセルと、レバノン人の自動車修理工トニーが物語の主人公となります。2人は水漏れ工事に関することがきっかけで口論へと発展。ヤーセルが最初に暴言を吐いてしまいます。
その後、謝罪を求めるトニーでしたが、キリスト教系政党の支持者で、かねてからパレスチナ人難民へ反感を抱いていたこともあり、ヤーセルに侮辱的な言葉を発し、事態はさらに悪化。
ついに舞台を法廷に移し、国全土を巻き込む騒動になってしまうことに……。
中東の実情を垣間見る
1948年の第一次中東戦争以降、レバノンやイスラエルをはじめとする中東ではさまざまな戦争が繰り返し起きており、学生時代に受けた世界史の授業で名称だけは聞き覚えがあるという人も多いのでは?
とはいえ、中東事情に詳しいという人以外、これらの背景をすべて理解するのは至難の業。
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