「話し方」がうまくても、人を引きつけられない決定的な理由
「3つのステップ」で情報をアウトプット
これを以下のように、3つのステップでアウトプットする内容を整理します。
【第1ステップ「因数分解」】
まずは、いったん感情は横に置いて伝えるべき情報を箇条書きレベルで抜き出します。冒頭の「長年~力作なんです」は、聞き手にとって書籍の魅力とは何の関係もない、ただの私の感情なのでノイズとして捨てます。次の「先が見えずに~」以降が、書籍の特徴を現す情報です。私情というノイズを捨て、伝えるべき情報を分解して抜き出すと、次の4つになりました。
(例)① 先が見えず複雑化している時代
② インプットとアウトプットが簡単にできる方法
③ いつも頭がごちゃごちゃで悩むあなた向け
④ 本書のノウハウは仕事で成果を出せる。
「3つのステップ」、2つ目は?
【第2ステップ「モレとダブリのチェック」】
次はモレとダブリを確認します。ここでは最低限の情報だけ伝える場面と仮定すると、モレはありません。ところが、「②インプットとアウトプットができる簡単にできる方法」と「④本書のノウハウ」という部分が一部ダブっています。
ダブリの箇所をノイズとして捉え、統合することで解消します。抽象度が高い方を先に残すのは、何も前提情報がない相手に細かい具体的な話を伝えても通じないため、先に大枠をつかんでもらうためです。
(例)① 先が見えず複雑化している時代
② いつも頭がごちゃごちゃで悩むあなた向け
③ 本書のノウハウを使えば仕事で成果を出せる
【第3ステップ「中心軸の設定」】
最後に、どの情報を最も伝えたいのか?「優先順位」をつけて「中心軸を1つ設定」します。中心軸の設定は、「伝える目的」と「相手のニーズ」というフィルターを通して選定します。今回は、「伝える目的」は、相手に書籍を買ってもらうことです。さて、「相手のニーズ」はなんでしょうか?
②の「頭がごちゃごちゃする悩みを解消すること」? ③の「仕事で成果を出せること」? これは、以前の章でお話した「観察と洞察」でつかんでいきます。