「話し方」がうまくても、人を引きつけられない決定的な理由
大量の情報をシンプルかつ具体的に伝える方法
ここで、アウトプットがシンプルになる代表的な「型」をご紹介します。それが「PREP法」です。この型は、話す場合でも書く場合でも有効です。「PREP法」とは、「Point(結論)・Reason(理由)・Example(事例)・Point(結論)」の順番で整理すると、大量の情報でもシンプルかつ具体的に伝えることができる方法で、英語の頭文字をとって名付けられています。
たとえば、PREP法で型にそのまま当てはめると、次のようになります。
「(Point:結論)メールはCC欄の禁止をご提案します。(Reason:理由)理由はメールの件数が減らず生産性が落ちるからです。(Example:事例)過去には大切なメールが埋もれてしまいトラブルになったことがありました。(Point:結論)したがって、CC欄の使用は禁止すべきだと考えています」となります。
伝える時に押さえておきたい注意点
伝えなければいけない情報が複雑で大量にあっても、PREP法なら「4つの引き出し」に情報を流し込むだけで、シンプルにストーリーができるため、便利な考え方です。
型を使って事前に情報を整理することは、「話したい内容のノイズを事前に消しておくこと」に、他なりません。制限を設けておかないと余計な情報まで組み込んで、複雑で冗長な話になってしまいます。ただ、注意しなければいけないことがあります。
PREPなどの型を使って事前に伝えたいことを整理しても、情報がそもそも多すぎると相手には何も伝わらなくなってしまいます。
「何が一番伝えたいことなのか?」。話の中心軸を設定しておく必要があります。昔、まだ20代の駆け出しのころ、某クライアント先の社長に怒られたことがあります。「君の話は長すぎる! 自分がインプットした情報の紹介を私に片っ端から披露してどうするの? 最も大切な事を1つだけ提案してくれ!」と。