コロナ感染した“基礎疾患あり”ラッパーの自宅療養記「日本の対応は破綻している」
東京大学中退の経歴で、マルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(44歳・@DARTHREIDER)の連載「時事問題に吠える!」では現代に起きている政治や社会の問題に斬り込む。
2月9日に自身のTwitterで新型コロナウイルスに感染したことを報告したダースレイダー。ワクチンは2回接種していたといいます。脳梗塞を経験し、糖尿病、腎不全などの基礎疾患を抱える彼が自宅療養を終えたいま、その体験と、そこから見えた世の中の状況を、2回にわたって解説します(以下、ダースレイダー氏の寄稿)。
寒気と関節痛で一睡もできずに朝
仕事が終わって帰宅し、夜、寝床に入ると寒気と関節痛、妄想のようなものが、ひっきりなしにぐるぐる回る状況が続き、一睡もできずに朝を迎えました。熱を測ったら37.1度ぐらいで高熱ではなかったのですが、とにかく全身の関節が痛い。この時期なので、コロナに感染しているかもしれないと思い、まず保健所に電話しました。
電話はすぐ繋がりましたが、症状を伝えると「発熱外来を受診してください」と言われました。保健所からは「●□●□病院で受けてください」といった推薦ができないらしく、近くで発熱外来をやっている病院の連絡先を教えてくれました。
それで、病院名と電話番号をスマホのメモに入れていって、順番に電話をしていきました。しかし驚いたことに、僕の住んでいる地区の発熱外来は、電話をした午前10時半の時点で、当日分の予約は埋まってしまっていました。病院によっては朝9時から予約を受け付けて、電話が繋がった人から予約ができるという、人気コンサートのチケットを取るような状態でした。そこで予約が取れなかったら、次の日に再挑戦するという仕組みです。
基礎疾患があっても予約が取れない
僕は脳梗塞を経験していて、糖尿病、腎不全という基礎疾患があります。これらはコロナに感染した場合、重症化リスクが高いと事前に把握していたので、対処がいろいろ変わってくるだろうと思っていました。
発熱外来は10件くらい教えてもらいましたが、関節痛や寒気がひどい状態の中で、電話したら断られ、また断られ、という状況が続くと、精神的にダメージが大きいです。この時点で、僕のような状態で発熱外来に繋がらずにPCR検査を受けられない人が相当いるんだろうなと感じました。
今、無料でやっているPCR検査場は、渋谷や新宿などのターミナル駅ばかり。ここは基本的に、無症状かつコロナ患者の濃厚接触者ではないという前提で検査を受ける場所です。
なので僕のような人は、発熱外来に繋がらない限りPCR検査が受けられない。同時に妻にもいろいろ調べてもらうと、Web予約ができるクリニックがあったので、ダメ元で症状を書いてメールを送りました。その後、唸りながら寝ていると病院から予約完了の返信があり、検査を受けることができました。