セガのゲーセン撤退は赤字事業の足切りか。業績はV字回復傾向も
2022年1月28日、ゲームセンターの運営事業を行うGENDAがセガのゲーセン事業に関する株式を全て取得したと公表しました。これで株式会社セガはゲーセン事業から完全撤退したことになります。
2021年9月には池袋にある「セガ池袋GiGO」が閉店するなど、ゲーセン事業の縮小は着々と進められているなど予兆はありました。同社はセガサミーホールディングスの傘下ですが、同じく傘下でパチスロ機を製造するサミーもコロナ禍で影響を受けています。悪いニュースが続くなか、同グループは今後復活するのでしょうか。
事業撤退に退職者募集…
IT業界はコロナ禍でも企業によるシステムへの投資が落ち込まず、好調に推移しましたが、ゲーム業界も業績が伸びた業種のひとつ。緊急事態宣言やまん延防止措置によって外出がしにくいなか、巣ごもり需要によってゲーム機本体や新作ソフトの売れ行きが拡大。ゲーム大手の任天堂は2021/3期に過去最高益を記録し、今期はやや落ち込んだもののコロナ以前の水準を上回っています。
けれども、セガサミーHDは事情が異なるようです。前述の通り、セガはSEGAブランドのゲームセンターの閉店を進め、ついにゲーセン事業から完全撤退しました。コロナ禍では不特定多数の人が触れるゲーム機で遊ぶのは抵抗があるのでしょう。客数減少に耐えられなかったようです。
同じくグループ傘下でパチスロ機を製造するサミーも、コロナ禍でパチスロ店の客足が遠のいたため業績に影響が出ました。こうした背景もあってか、セガサミーHDは2020年11月にグループの正社員と契約社員を対象に650人の希望退職者募集を実施しました。
セガの事業は3つに分類
ちなみに同社の事業セグメントは以下の3つに分類されています。※()内は2020/3期の売上高比率。
① エンタテインメントコンテンツ事業:一般向けゲームソフト、ゲーセン向け機器(67.6%)
② 遊技機事業:パチスロ機の製造・販売(29.6%)
③ リゾート事業:宮崎県のフェニックス・シーガイア・リゾートなど(2.8%)
同社はコロナ禍でどの程度影響を受けたのでしょうか。決算資料によると2018/3期から2021/3期までの業績は以下の通りです。
売上高:3237億円⇒3316億円⇒3666億円⇒2777億円
営業利益:177億円⇒131億円⇒276億円⇒66億円
最終利益:89億円⇒26億円⇒138億円⇒13億円