「カミングアウトすべき?」宗教の2世信者の婚活事情は、激怒されることも
「世の中は捨てたものではない」
婚活をしている人に共通して言えることではあるが、宗教2世の人は総じて「自分は結婚できないかもしれない」という不安を抱いているという。しかし、影山さんは「思っている以上に理解者も存在している」と断言する。
「もちろん全員が確実に結婚できる世界とは言えませんが、私の認識としては当事者の方々が想定しているよりも世の中は捨てたものではないと思います。実際に私たちが取っている事前アンケートでも、お相手の宗教を『検討可』としている方が少なくありません。
たとえ内容は違っても誰もが悩みを持っているので、逆に結婚によってお互いの悩みを補完できることもある。
当事者である宗教2世の方が相手に『いい宗教です!』とアピールをしても耳を貸してくれないケースもあるかもしれませんが、私たちのような仲人が間に入ることで小さな誤解を解き、フラットに話を伝えられる可能性はあります」
日本人の「宗教に対する無知」から偏見が
「結婚したいけれども相手に上手に事情を伝えられないという宗教2世の方ほど、こうした結婚相談所を活用していただく意味はあると自負しています」と、影山さん。
宗教2世当事者の意識だけではなく、彼らを取り巻く社会からの偏見もまた、彼らを結婚しにくくさせる大きな要因であることは間違いないが、日本人特有の「宗教に対する無知」からも偏見は生まれやすいと、さらに説く。
「日本人は無宗教が多いとはいえ、神社で手を合わせるし、クリスマスを祝うので何かしらの宗教と関わっています。それにかかわらず、宗教、とりわけ新興宗教に関する情報は限られていますし、悪い情報も少なくない。
仮に聞いたことのない宗教名を告げられたらお金のことや禁止事項、風習などいろいろと気になってしまうのが自然でしょう」