本棚に大量の自己啓発本が

　北見さんは、お父さんが変化した背景を探ることにします。

「両親の寝室にある本棚を見てみることにしました。そうしたら、案の定、最近話題になっている自己啓発系の書籍が大量に並んでいました……。それにしてもなぜこのタイミングで意識高い系に傾倒したのか、いまだに理由がわからないんです。

　あと2年以内に定年を迎えますが、ここ最近で昇進したりもしていませんし、今からがんばったところで、大した変化もないはずです。父の『理想』が何なのか分からなくて……。母は知らないそうですし、また面倒な説教が始まると思うので本人には直接聞いていませんが、変な事業に手を出したりするんじゃないかと不安なんです」

「50の手習い」とも言いますが、自分の父親が突然面倒な上司のように振る舞い始めたらと思うと、対応が難しそうです。北見さんは引き続き若干の距離を置きながら、正解を模索しているとのことでした。

＜TEXT／和泉太郎　イラスト／カツオ（@TAMATAMA_GOLDEN）＞

－［僕・私の家の話］－