歌舞伎役者から39歳で転職。「銀座 蔦屋書店」書店員が語る“異色のキャリア”
銀座 蔦屋書店で「日本文化」を紹介
――最終的に銀座 蔦屋書店で「日本文化コンシェルジュ」として採用が決まり、現在も書店員としてお仕事をされていますが、そこまでの詳しい経緯はどのようなものだったのでしょう。
佐藤:銀座 蔦屋書店の面接を受ける前に、3社くらい内定はいただいていたんです。でも最後の最後にエージェントの方から「日本文化に詳しい人を探している」と転職サイトのメッセージで連絡をもらいました。それが銀座 蔦屋書店の日本文化コンシェルジュの仕事だったんです。
応募条件が「日本文化に関わる仕事を経験している」「江戸文化に知見がある」「ギャラリー・画廊での勤務経験者」「英語あるいは中国語が話せる」で、物販事業で店舗勤務をしていた経験もいきると感じました。
――その話がきた時、佐藤さんはどう感じましたか?
佐藤:あまりにも自分のこれまでやってきたこととフィットしていたのでとても驚きましたし、やりたい仕事がこんな形で来るとは思っていなくて、今これを掴まないとダメだと感じましたね。
面接も試験も何度もあって選考はかなりきっちりしていましたが、芝居以外で自分がこんなに「落ちたら嫌だ」と思える仕事があることに驚きました。だから、試験を受けてお返事をいただくまでかなり怖かったですよ。
<取材・文・撮影/望月柚花>
【佐藤昇一】
銀座 蔦屋書店 日本文化コンシェルジュ。1976年大分県生まれ。国際基督教大学中退。歌舞伎俳優中村蝶之介として19年間の修行に打ち込む傍ら、江戸の服飾、結髪についての探究を始める。現在は日本文化の魅力を紹介するとともに、日本の食文化や美術にまで研究の領域を広げている
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