男性も外見で評価される時代に?反ルッキズムのかけ声と現実
女性はそんなに外見を気にしない?
外見重視が進む社会において、恋人や結婚相手を見つけるために、今後私たちはどのように外見と向き合えば良いか。
「外見重視の評価は続きそうですが、その一方でルッキズムの議論が活発化しており、『外見はしょせん外見なんだ』という一歩引いた意識の学生も少なくありません。正直なところ、女性は男性が思っているほど容姿は気にしていません。
先ほど『女子学生が男子の身長を重視している』と話しましたが、実際に重視していたらあれだけハッキリ口にはできません。やはり性格や価値観、一緒にいて楽しいかどうかを重視しているように感じます」
容姿いじりの原因は男性にあるのか
なんにせよ、私たちは今後とも“外見重視”と向き合わざるをえないが、「女性は幼少期から『女の子なんだから身だしなみはちゃんとしなさい!』と言われてきたため、男性よりも外見に対して過剰に反応します。女性もそうですが、特に男性は他人の外見に配慮する感受性を高めなければいけません」と価値観のアップデートを促す。
「私は日本女子大では現代男性論という授業の中で“男性のハゲ差別”について教えているのですが、そこでは『女性が男性のハゲを差別しているのではなく、男性が男性のハゲを差別している』と説明しています。
男性同士のイジリや悪ふざけを見て、女性の中に『ハゲ=笑っていい』という認識が植え付けられるため、『男性は実はハゲを深刻に悩んでいるよ』と伝えると大変驚きます。また、ハゲに限らず身長や体形も同様で、(男性同士のイジリを見て)女性は『私と身長同じくらいだね』『結構ぽっちゃりなんだね』と悪気なく口にするのです」
外見磨きは重要だが、それ以上に他人の外見に配慮できる価値観を持つことこそが、大切なのかもしれない。
<取材・文/望月悠木>