塚地武雅、芸人だからこその役者業での魅力「スベることで強くなれた」
迷いを吹っ切った「朝ドラ」への出演
――では今後も、コントも含め、お笑いもお芝居も両方やっていきたい?
塚地:悩んでいた時期もあったんです。お笑いならお笑いだけをやっているほうが、どこか職人みたいでかっこいいみたいな見方もありますし、「何がやりたいの」とすごく言われますし。「二兎を追うものは」みたいに捉えられたりもしました。
お芝居の場では「芸人さんだもんね」と言われ、お笑いの場では「俳優気取りだよね」と言われたりしたことも多々あります。でも今年、朝ドラ『おちょやん』で、花菱アチャコさんをモチーフにした花車当郎という役をやらせてもらったことで、吹っ切れたというか。
これからも、お笑いもお芝居も
――というと?
塚地:アチャコさんってしゃべくり漫才の元祖といえる人なんです。そんな方が、ラジオドラマをやっていたり、ドラマや映画をやったりしていて、「あれ、今の俺がやっていることと一緒だ。この道は昔からあるんだ」と。
――昔のほうがむしろ自然だったかもしれませんね。
塚地:そうなんです。いわゆる喜劇人というか。渥美清さんなんかもそうですが、「これって違和感ないことなんや」と改めて思ったんです。だからどっちに絞るなんて考えずに、これからも両方一生懸命やっていきたいと思っています。
<取材・文・撮影/望月ふみ>