フェイスブックが社名変更。1兆1400億円投資する「メタバース」はどんな世界なのか
新「Meta」社のターニングポイントになるか
メタバースが今後普及するかについては、懐疑的な声も少なくない。しかし、コロナ禍によって、リアルに対面せずにコミュニケーションを取ることへの抵抗が薄れたことや、今後5Gを利用できるエリアが広がっていくことなどを考えると、メタバース的なものが受け入れられやすい土壌は整いつつあるといえる。
今後、ヘッドセットの所有者が増えたり、より手軽に使うことのできるデバイスやプラットフォームが登場するようなことがあれば、メタバースを使ったコミュニケーションが、「他社と接点をもつ手段の選択のひとつ」となっていく可能性は十分にあるのではないだろうか。
すべての生活が仮想空間内で完結するSFのような世界ではないとしても、現在、会議や打ち合わせを行うときに「リアルかZoomか」の選択をしているのと同様の感覚で、「リアルかメタバースか」を選ぶようになる未来なら十分にあり得そうだ。
今回の社名変更には、同社で起こっている内部告発問題から世間の目をそらすためではないかとの批判もある。もちろん、問題視されていることに対する誠実な対応は必須だろう。その先の世界として大きな可能性を秘めたメタバースが、新「Meta」社のターニングポイントとなるのか。今後の動きに注目したい。
<TEXT/酒井麻里子>