衆院選の“真の勝者”は誰か?維新の会躍進だけじゃない、大きな変化も
候補者が乱立すると野党は不利に…
小選挙区制は、その選挙区で1人しか当選者が出ない制度です。候補者が乱立すると、野党は獲得議席で不利になります。
例えば、2017年の衆院選における小選挙区で獲得した票を見てみると、与党(自民党・公明党)が2733万3175票。対して、野党(立憲民主党・希望の党・日本共産党・社民党)は2172万2706票。与党でも野党でもないことを標榜する日本維新の会は、176万5053票を獲得しています。
与党と野党の票差は、約560万票。日本維新の会は閣外協力という形で与党に協力的なスタンスを取っていますが、仮に自公vs非自公(無所属・諸派を含める)という構図で見れば、2808万8912票となり、非自公のほうが多く票を獲得しています。
しかし、選挙制度の特性から獲得議席は、自民党284・公明党29で与党合計は313。対して、野党は119という大差になっています。
東京8区では立候補をめぐった騒動も
こうした選挙制度の特性を踏まえ、野党も候補者を一本化する動きが生まれました。とはいえ、立憲民主党・共産党・国民民主党・れいわ新選組・社民党の5つの政党があるので候補者の調整は容易ではありません。
ほかの政党の候補者が自分の選挙区に出馬するとなったら、これまで有権者に支持をお願いしてきた立候補予定者は期待を裏切ることになるからです。
実際、今回の衆院選では東京8区で野党一本化をめぐる騒動が起きています。
国土交通大臣や自民党幹事長を務めた石原伸晃候補が連続当選している選挙区です。東京8区では、れいわ新選組から出馬した山本太郎候補と立憲民主党から出馬した吉田晴美候補がどちらも出馬を宣言したことで混乱が起きる一幕もありました。
候補者の一本化は野党共闘の旗印とされているため、野党間の話が大きくクローズアップされますが、与党でも起きています。