実は任天堂級の優良企業!CMでよく聞くIT企業「オービック」のスゴさ
リーマンショック後も業績を伸ばし続けた
それでは業績について見ていきましょう。実は同社、バブル後の日本経済の冷え込みが続く2000年代でも、2008年のリーマンショック後も業績を伸ばし続けました。
1988年度に100億円を超えた売上高は98年度に300億円を突破、12年度には500億円を超え、16年度には600億円を突破しました。
決算資料によると米中貿易摩擦やコロナ禍が続く近年でも業績は好調で2019/3期→2020/3期→2021/3期→2022/3期(予想値)成績は以下の通りとなっています。
売上高:741億円→805億円→839億円→予想900億円
営業利益:379億円→432億円→481億円→予想520億円
当期純利益:322億円→351億円→380億円→予想400億円
実は任天堂クラスの無借金経営
伸び続ける業績について決算資料では企業のIT投資が依然続いている点を要因としてあげています。日本にはIT化に遅れている企業が多く、有名企業でも古いシステムを使っている例は珍しくありません。
そしてPC、スマホが新しくなるにつれてシステムも更新していく必要があります。コロナ禍では各社の業績が悪化しましたが、IT分野への投資額はあまり冷え込まなかったようです。
利益率がここまで高いと前年の利益で当年の出費を賄えるため銀行から借金をする必要はなく、2021/3期の負債比率はわずか11%しかありません。負債の内訳も買掛金や未払い法人税が主で、実質無借金経営となっています。ちなみに財務がこれほど安定している企業として他には任天堂があげられます。
オービックの株価は近年急上昇しています。2000年に8000円を超えた株価は2003~12年の間に1000円台を推移して冷え込みましたが、2017年以降の伸びが著しく、現在では2万1000円台を推移しています。
製造業やサービス、小売業でパッとする銘柄が無いなか、IT系で安定している同社の株が割安株として注目されたのでしょう。