通学中に吐きそうに…女優・小野花梨、つらかった10代の経験は「無駄じゃなかった」
挫折の時代。それでも諦めなかった理由とは?
――ところで俳優としてのキャリアの話ですが、ここまで来るのに仕事の壁にぶつかるなどの挫折の経験はありましたか?
小野:それはたくさんあります。オーディションに行っても全然決まらず、昔から知っている子がどんどん売れて主演をする一方で、わたしは仕事がなく、とても長い時間が流れたように思います。なので挫折や諦めはたくさんありました。
――なぜ俳優業を続けようと?
小野:それは、ひとえに出会う人(のおかげ)でした。わたしにはいいマネージャーさん、スタッフさん、監督さんがいつもいて「大丈夫だよ」と優しく励まし続けてくれました。ことあるごとにいろいろな出会いがあり、いろいろな人に育ててもらった。あきらめないように仕向けてもらった。そういう出会いがなくて、1人きりだったら何をしでかすかわからないくらいでした(笑)。いろいろな人に愛情をもらい、生かされてきたなと思います。
評価はわたしの知らないところでついてくるもの
――10月には後期のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で朝ドラ初出演も果たされますが、大きな作品に出る心境はどうですか?
小野:作品を観る層や人数の違いなどはあるとは思いますが、自分の仕事内容や気持ち、向き合い方は、作品が大きくても小さくても変わらないです。
評価はわたしの知らないところでついてくるものだから「大きな仕事だから」みたいなことは思わないですね。頑張ってやっていたら環境が変わり、気づいたら役の重要性が変わることはあるかも知れませんが、自分では何も変わっていないかなと思いますね。
――それはあえてそうしているのですか?
小野:もちろん勘違いしないように、という意識はあると思いいます。いろいろなところでよくしてもらえるけど、それはわたしが偉いのではなくて、そういう仕事なんですよね。みんなが優しくしてくれているだけで、みんながいなければわたしもいないから。
小さいときからお芝居をやっているけど、全然売れない時期があったから、そう思えるのかもしれません。だから今となってはむしろラッキーだったなと思っています。