通学中に吐きそうに…女優・小野花梨、つらかった10代の経験は「無駄じゃなかった」
ふたりの女子高生がSNSで社会を変えようと奮闘する青春映画『プリテンダーズ』が2021年10月16日より全国にて上映中です。ゴッホを敬愛し、社会に反抗する17歳の主人公・花田花梨役を、注目俳優の小野花梨さん(23)が好演しました。
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2021年11月1日よりスタートするNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では、朝ドラ初出演を果たす小野さん。今回は、仕事を続けられる原動力、同じく仕事で苦悩する同世代へ投げかけたいメッセージについて聞きました。
ツラかった10代「通学電車で吐きそうになって…」
――今回の花田花梨という役柄は、とてもご自身に近いそうですね。
小野花梨(以下、小野):まさにわたしでした。わたしも皆が当たり前にできるようなこと、“前にならえ”ができない人間で「その校則に何の意味があるの?」と疑問をいつもぶつけていました。なので学校に行くことがツラかったです。言うことを聞く子が好きな大人たちとうまくいかず、悔しい思いもしてきました。
映画の中の彼女もやりたいことがあるのに、すごく怒られますよね。まさにわたしも、あの花梨そのものでした。もちろんわたしにも悪いところはあったし、今となってはあのときの大人たちに謝りに行きたいと思うくらいですが……。
――映画の中で演じたことで、学生時代の気持ちは晴れましたか?
小野:完成した映画を観たときに、まさにそういう気持ちになりました。あのころは、通学途中の満員電車でツラすぎて吐きそうになって、途中で降りたりしたこともありました。苦しかったですが、あの日々がこの作品、この役を演じるためだったと思うと、無駄じゃなかったなと。あのときの自分が報われたような気持ちになり、この作品との出会いは大きかったですね。
「なんで私のことを産んだの?」とすら思った
――それはツラい日々でしたね。
小野:自分でもどうしてあそこまでツラかったのかなと思います。みんなが敵に思えて、誰も信じられなかった。「産んでくれて、ありがとう」とよく聞きますが、微塵も思えなかったんです。「ふざけるな、なんでわたしのことを産んだの? あんたが産んだからこんなにツラい思いをしている」とさえ思っていました。今はいろいろなことを経て、とがった感情はなくなりましたが、当時のわたしは本当に酷かったですね。
――それで謝りたいと。
小野:そうですね。そういう気持ちのせいで八つ当たりをしてしまい、傷つけなくていいような人まで傷つけていました。当時の自分にはどうすることもできなかったのですが、今ならあれは間違っていたとわかります。過去には戻れないし、傷つけたことは変えられないのですが、だからこそ花梨のことはよくわかると思いながら演じていました。