パワハラ被害で鬱状態の26歳男性が、ネット掲示板での出会いに救われた
嫌な思い出がよみがえってしまい
「うつの原因になった上司から電話が来たんです。会社時代の癖で思わず電話を取ってしまい、その後はあまり記憶がありません。一方的に怒鳴られ続けて息苦しさを感じながら、ひたすら謝っていたと思います」
その電話がきっかけでしばらく忘れかけていたパワハラの記憶が蘇ってしまった堀川さん。Rさんと出会う前よりももっと気持ちが落ち込み、食べることも寝ることもままならない状態だったといいます。その間ずっとRさんは連絡をくれていましたが、それに堀川さんが気づいたのは数日後でした。
既読にならないことを心配してRさんは温かい言葉をたくさん送ってきてくれていました。堀川さんはどこかでRさんが助けてくれるかもしれないと思い、上司からの連絡があったこと、それによって記憶がフラッシュバックして死にたいと思ったことを伝えたのです。
やっと吐き出せた気持ち
「すぐにRさんからLINE電話がきました。LINEを見ていない間も電話はかかってきていたのですごく心配してくれていたんだと思います。すがるような思いで電話を取ると、聞こえて来たのは女性の声でした」
ずっと男性だと思っていたRさんは実は女性。以前彼女の家族が心の病で苦しんでいたことに気づけずに後悔したことがあると話してくれました。そして掲示板に書かれていた内容がそのときの状況に似ており、助けたいという一心から堀川さんに連絡をしていたというのです。
「それから僕は糸が切れたように号泣してしまい、今のつらい気持ちや当時辛かったことを全部話したんです。子供みたいに泣いていたと思います。でも彼女はずっと否定せずに聞いてくれて、気づいたときにはスッキリしていました」
このことがきっかけで堀川さんは徐々に自分の気持ちを整理できるようになりました。今もRさんとのやり取りは続いていて、ときどき電話でも話すようになったそう。そして堀川さんは社会復帰に向けて動き始め、いつかきちんと就職できたらRさんに直接会ってお礼をすることを目標に頑張っているとのことでした。
<TEXT/つる>