岸田文雄首相に早くも「期待はずれ」の声。10月末の衆院選が“正念場”か
現状維持でも自民党単独で過半数
岸田首相は臨時国会で衆議院を解散することを明言。これを受け、衆議院議員選挙は10月19日に公示、31日に投開票することを会見での予定で準備が進められています。
2012年に政権を奪還して以降、自民党は選挙で圧勝を続けてきました。岸田総裁は生まれ変わった自民党を強調し、これまでの安倍・菅路線からの方向転換を示唆しています。そうした方向転換ができるか否かは、衆院選の結果にかかっていると言っても過言ではありません。岸田自民党にとって、今回の衆院選は政権の今後を占う正念場です。
総裁選直後、岸田総裁はきたる衆院選の勝敗ラインを「自民・公明両党で過半数」と発言しています。衆議院の定数は465名。つまり、過半数は233名です。自民党の現有議席は275名ですから、現状維持でも自民党単独で過半数となります。これに連立を組む公明党の議席が加わるわけですが、公明党の現有議席は29名。岸田総裁が口にした勝敗ラインは、かなり控え目といえるかもしれません。
日本維新の会はどう動く?
同じく野党連合から一定の距離を置くのが、日本維新の会です。日本維新の会は与党として連立政権に加わるわけでもなく、野党と協力することもありませんでした。そうしたスタンスから、日本維新の会は与党でも野党でもない“ゆ党”と形容されてきました。
日本維新の会は国政政党ですが、主力は大阪府の吉村洋文知事と大阪市の松井一郎市長を中心とする大阪の政治家です。これまで吉村知事・松井市長ともに安倍・菅両首相と昵懇の間柄だったこともあり、おおむね自民党といい関係を築いていました。
他党にも目を向けてみましょう。野党第一党の立憲民主党は共産党、社民党、れいわ新選組に呼びかけて野党連合として衆院選に臨みます。もともと同じ民主党だった国民民主党は、野党連合に加わっていません。
他方、大阪府市において維新の会と自民党は対立する関係にありました。そのため、国政の自民党と自民党大阪府連の関係がギクシャクしていていました。そうしたねじれ現象は、岸田総裁誕生時に吉村知事が否定的な意見を口にしたことから解消に向かう可能性があります。