コロナ禍でも成長著しい“サブスク株”8選。プロが教える、見極め方とは
音楽や動画の配信に始まり、衣服や飲食などあらゆるジャンルに浸透したサブスク。株式投資をする際も、この有無は見逃せないとプロは語る。その極意を聞いた!
安定収益が期待のサブスク関連銘柄に注目
今やなんでもサブスクになる時代だ。彗星のごとく現れた新奇なビジネスモデルは、すっかり生活の一部になった。そんな中、新型コロナウイルスによる“巣ごもり需要”が輪をかけてサブスクの需要を押し上げている。
「株価の先行き不透明な今だからこそ、安定した収益が期待できるサブスク関連銘柄に注目したい」
そう語るのは、ファンドマネジャーとして業界動向や企業分析の発信を行う、にしけい氏だ。
その指摘通り、米Zuora社が世界700社以上の企業を対象に行った調査によると、コロナ禍においてもサブスクを扱う企業の80%は成長を続け、しかも、うち半数はコロナ前と同じ成長速度。
18%の企業ではむしろ契約者数の成長率が加速しているという。サブスクを実施する企業とS&P500を比較した上グラフを見ても、それは一目瞭然だ。
「BtoC、BtoBを問わず、多くの企業がサブスク事業を始め、その全般で株価が上昇しています。ビジネスモデルとしてやはり定期収入は強く、特にコロナ禍では威力を発揮しました。例えば、外出自粛でジムが軒並み赤字転換した際にも、プロテインのサブスクを扱うカーブスホールディングスは急激な業績悪化を免れています。サブスク事業の動向は、銘柄選定における重要な指標のひとつとなりつつあります」(にしけい氏)
サブスクが増えると競争の激化に
しかし、サブスクを導入する企業が増えるということは、つまりは競争の激化を意味する。
「株価の上昇に思考停止で盛り上がれたのは昨年まで。現在はすでに熾烈な競争による選別が始まっています。より良い銘柄を判定するキーワードはスイッチングコストのバランス。いかに新規参入しやすく、離脱しにくいか。会員数の推移や解約率などは必ず確認しましょう。
また、コロナ前からオンライン転換を先取りしている企業は、どのような伸び代があるかもチェックしたい。例えば、ネットフリックスはメイン市場である欧米での成長率は鈍化していますが、新興国への進出を始めるなど、マーケットの拡大に力を入れています。単価×会員数という収益モデルには上限があるということを、しっかりと頭に入れておきましょう」