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ブランド撤退の危機も…森永乳業「MOW」復活リニューアルの舞台裏

ビジネス

「新スイーツアイス」と打ち出したMOW PRIME

 2020年9月にはMOWシリーズの新商品として「MOW PRIME(モウ プライム)」を発売している。コロナ禍で増える巣ごもり需要やプチ贅沢志向に沿ったプレミアムな商品として、世間で認知が広がっているが、実は「ブランド側としてはプレミアム路線で打ち出したものではない」と柳迫氏が説明する。

「おかげさまで、メディアに取り上げていただく際は、MOWのプレミアム版と位置づけて露出されることが多いんです。でも、あくまでブランド側のコンセプトとしては『ミルクのおいしさを追求したアイス』と『厳選した素材感のある具材』とのマリアージュが楽しめるアイスとして打ち出しています。特に主力であるMOWのバニラアイスと対比させたプレミアム版とは意識していません。

 ネーミングに関しても、デコレーションやトッピングなどの候補も挙がりましたが、至福の時間(PRIME TIME)の語源を参考にPRIMEを採用しました。アイスと素材との味の広がりを楽しめる日常のちょっと贅沢なスイーツを提供したいという想いのもと、アイスを食べるオケージョンや、さらなる需要の拡大を図るために“新スイーツアイス”と銘打って展開しています」

若い世代へのヒットは、ある認知から

森永乳業

2020年9月から発売している「MOW PRIME(モウ プライム)」シリーズ

 MOWの定番品は40~50代がメインで購入している一方、MOW PRIMEの場合は20~30代にも裾野が広がっているという。

「MOW PRIMEのラインナップは『バタークッキー&クリームチーズ』と『ゴールドラムレーズン~発酵バターの香り~』の2種類があります。前者は風味豊かなクッキーがたっぷりトッピングされて食べ応えのあるアイスに仕上がっております。後者は発酵バターとゴールドラム酒で仕上げたアイスに大粒のラムレーズンを混ぜ込み、贅沢な味わいを楽しめるアイスとなっています。

 シンプルでなめらかなアイスとは違う、ある種特別なデザートとして成立していて、今までにない上質感やワクワク感が相まって若い世代にヒットしているようです。SNSの動向を見ていても、ここ最近の商品と比べても反応は非常にいい。ただ、まだまだ販売チャネルを拡大し、認知度を高めていく必要があるので、地道にMOW PRIMEの魅力を広げていければと思っています」

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