日本はやや出遅れた「量子コンピュータ」研究。具体的に何ができるのかトヨタを例に解説
導入の遅れた企業は競争に負ける?
プロセス開発や新素材開発への応用が期待される量子コンピュータですが、調査によってばらつきはあるものの、特許数はおおむね米中が先行しているようです。アメリカではGoogle、IBM、Intelなど先端企業が研究を進めるほか、中国では国主導のもと学術機関が研究を実施しています。
日本はやや出遅れた感がありますが、導入の遅れる企業はプロセス開発分野のコスト競争で負け、新素材開発でも負けることになるでしょう。日本企業が古びた製品を高い価格で売り続けることがないよう国の対応も求められます。
一方で-273度付近の極低温状態を必要とするため量子コンピュータは大型化が難しく、実用化できないなどの懐疑論も見られます。そうした意見も否定はできませんが、実用化がされた場合に備えて一定の投資はしておきたいところです。
<TEXT/経済ライター 山口伸>