20歳女子大生が“清掃・産廃業者”になったワケ。異色のガテン系起業の裏のこだわり
自分の仕事を身近に感じてもらいたい
2021年の5月には、電子書籍『迷いは捨てるな』をリリース。出版に至った背景には、今ではフォロワーが1万人を超えたInstagramの存在があったという。
「現在、清掃業で働いている人の多くが、40代以上の男性です。仕事には、さまざまな資格が必要なこともあって、個人的には『近寄りがたい業種』というイメージを持たれてしまっているのかなと感じることがあります。なので、少しでも清掃業のことを身近に感じてもらえるように、積極的に情報を発信するようになりました」
彼女のアカウントには、経営者としての日常や苦労が、等身大の言葉で綴られており、コメント欄には同世代からのエールが多く寄せられている
自分の経験を伝えていきたい
「20代のうちに経営者としての基盤を作りたい」と、今後の目標を語る泉谷さんだが、一緒に働く社員に対しても「経営のイロハを教えてあげたい」という気持ちを抱いているという。
「起業を決意した時、何から始めたら良いか分からない状況に直面しました。私は良い出会いがあったおかげで、経営者としてのキャリアをスタートさせることができましたが、当時の私と同じ状況に立たされている方は、まだまだ多いのではないかと思います。
会社の業績を伸ばしていくことももちろん大切ですが、今後は『起業家に育てていきたい』という想いを持って、日々の業務に取り組んでいます。私は経営者として歩んだ5年間で、さまざまな経験や学びがありました。
これまでに経験してきた、徐々に想いが形になっていく過程や、自分や他人の成長が体感できる醍醐味。そして言葉に言い表せないほどの達成感を、ぜひ後輩達にも経験してほしい。今はそのような想いで、日々の業務に取り組んでいます」
これからも「日々の生活で感じる迷いや未熟さと向き合いながら成長していきたい」と意欲を見せる泉谷さんの思い描いた夢が、どのように実現されていくのか。その行方が今から楽しみでならない。
<取材・文/白鳥純一>
【泉谷のどか】
eagerise合同会社代表。大学3年生で起業。清掃、解体、産業廃棄など男性も尻込みするような現場仕事をしながら大学や資格の勉強、経営を両立。現在5期目に。2021年、初の著書『迷いは捨てるな』をリリース。
Twitter:@nodoka__119