20歳女子大生が“清掃・産廃業者”になったワケ。異色のガテン系起業の裏のこだわり
地道に努力を積み重ねる
設立後は、今では恩師としてお世話になっているという知人の協力を得ながら、ビル清掃の事業を開始。しかし、さまざまな困難が待ち受けていたという。
「とにかく何もない状態からスタートしたので、起業して間もない時期は、現場での作業に経営、そして仕事に必要な資格の勉強を同時にやらなければならなかったのは大変でしたね。
また、ある時は、女性が少ない業種と言うこともあって、現場に行くと『本当に大丈夫なの?』という目で見られてしまう時もあって……。辛い場面もありましたけど、周囲に相談しながら、きちんと成果を見てもらえるように、努力を積み重ねていきました」
小さなことでは騒がなくなった
総額50万円の貯金を切り崩し、設備投資として草刈り機やブロワーなどの機材を買い揃え、ときに協力者のサポートも受けながら事業を進めていく。「物事を途中で投げ出すような経営者は、仲間からの信頼も得られない」という想いでさまざまな困難を乗り越え、会社は早くも5期目を迎えた。
灼熱の炎天下、高所、荒れ果てた空き家などの厳しい環境での作業、さらにはスズメバチの駆除といった修羅場とも対峙してきたという泉谷さんは「小さなことでは騒がなくなりました」とこれまでの成長を振り返る。その一方で、今もなお「辛さ」を感じる仕事があるという。
「以前、霊園の緑地を管理する仕事があったんです。除草剤を撒きながら、雑草を刈り取っていくのですが、清掃をしているときに、急に強い風が吹いたり、目の前に突然スプーンが飛んでくることが多々ありまして……。心霊系が苦手なので、とにかく怖かったですね。事故物件でも、淡々と業務に取り組める人もいるのですが、本当に凄いなと思います」