コロナ禍で消滅→再出発した「有名ブランド」5選。セシルマクビー、地球の歩き方etc.
格安航空会社「エアアジア・ジャパン」、都心の便利なミニファミレス「クイックレストランSガスト」、関西各地にあったファミレス「フレンドリー」、中堅コンビニ「コミュニティ・ストア」――コロナ禍のなか、馴染み深かった多くのブランドが姿を消す一方で、なかにはその後「復活」を遂げたものもある。
今回は、そうしたコロナ禍のなか一度消滅したものの、様々な理由で「復活」を果たしたブランドたちを紹介しよう。
1:300円ショップ「ミカヅキモモコ」
1999年に創業し、「300円ショップの草分け」として全国展開していた「ミカヅキモモコ(三日月百子)」(本社:大阪市)。2019年には70店舗ほどを展開していたミカヅキモモコだが、コロナ禍のなか店舗網を縮小したのち、2021年2月に運営会社「三日月百子」が破産、一旦「全店閉店」となってしまう。
同店が営業を再開できたのは、ブランドと事業を引き継ぐ企業が現れたため。ミカヅキモモコの経営を引き継いだのは、季節外れアパレルなどの法人在庫処分サービスを主力事業とし、オフプライスストア「Colors(カラーズ)」「Colorsu(カラス)」を運営する「Shoichi」(本社:東京都千代田区)。ミカヅキモモコの一部商品もこうした在庫処分品であったといい、同社の既存事業と相性が良かったことが背景にあろう。
新会社のもと営業を再開することができた「ミカヅキモモコ」は僅か8店(2021年6月時点)と最盛期の1割程度になってしまったが、再生に向けてゆっくりと歩み始めた。
2:ガイドブック「地球の歩き方」
1979年創刊の創刊以来、日本を代表する海外旅行ガイドブックだった「地球の歩き方」。
「地球の歩き方」は経済誌などを発行する大手出版社「ダイヤモンド社」(本社:東京都渋谷区)の子会社「ダイヤモンド・ビッグ社」が発行しており、台湾・香港・中国・韓国でも翻訳版が出版されているほか、近年は日本国内シリーズも充実しており「離島」や「寺社/御朱印めぐり」といった国内テーマガイドが人気を集めていた。
しかし、ダイヤモンド社はコロナ禍で事業環境が大きく変化したことを理由に2021年1月での事業撤退を発表。同社による「地球の歩き方」は41年の歴史に幕を下ろした。
この「地球の歩き方」は知名度の高さもあってか、ダイヤモンド社の事業終了と同時に別会社に引き継がれて存続することが発表された。事業を引き継いだのは、大手出版社「学研」(本社:東京都品川区)子会社の「学研プラス」。
コロナ禍が続くなか通常の海外ガイドの新刊発行は今のところ行われていないものの、これまで発行されていた国内ガイドの「寺社/御朱印めぐり」や「島旅(国内離島めぐり)」の新版・改訂版に加えて、地球の歩き方をテーマにした図鑑シリーズなど、「学研ならでは」のカラーを出した新刊の発行がおこなわれるようになっている。