コカ・コーラの味は創業から同じ、でも「サイズ変更に踏み切った」深いわけ
音楽業界から異色の転職だった
――ちなみに安念さんが日本コカ・コーラ社に入るきっかけは?
安念:もともとは音楽専門チャンネル「MTV」を運営するMTV Japanで、番組の編成や広告の営業などをしていました。そこからコカ・コーラへ転職し、初めはマーケティング本部で音楽アーティストとのパートナーシップやブランドキャンペーンに携わる仕事を経験していたんです。
――MTVからコカ・コーラへ転職するのって、結構珍しいですよね?
安念:社内でもそんなに人数はいないと思います(笑)。ただ、コカ・コーラのTVCMでは過去にAIさんの「ハピネス」やLittle Glee Monsterさんの「世界はあなたに笑いかけている」といったイメージソングを選ぶとき、エンタメ畑だった前職での知見を活かせたのではと感じています。
ずっと同じ味だからこそ出てくる意味
――新容器の発売のほか、コロナ禍で消費者志向が変化したことで、何か取り組んだことはありますか。
安念:非接触文脈から、なるべくデジタル上で完結するようなキャンペーンやプロモーション施策を心がけています。それで言うと、コカ・コーラのアプリ「Coke ON」は2600万ダウンロード(取材時)を超え、多くのユーザーの方にご利用いただいております。決済機能だけでなく、Coke ON限定のキャンペーンや、歩くだけでスタンプを貯められる「Coke ONウォーク」、自動販売機のサブスクリプションサービス「Coke ON Pass」など、エンタメ要素を入れたユーザー体験を意識しています。
――ありがとうございます。それでは最後に、今後の展望についてお聞かせください。
安念:350mlと700mlの新容器サイズを発売したのをきっかけに、「最近、コカ・コーラから遠ざかっていた」という人にも改めて手に取ってもらいたいです。ずっと同じ味だからこそ、昔からずっと変わらない“美味しさ”をアピールしていかなければならないので、これからもいろいろとチャレンジをしていきたいですね。
<取材・文・撮影/古田島大介>