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700万円スマホゲームに課金した会社員の後悔「妻の浮気がきっかけでした」

コラム

 スマホのゲームにハマるがあまり、「課金中毒」のような状態になってしまう若者の話は昨今珍しくないかと思います。しかし、ある程度の判断能力が備わっているアラサーの会社員でも“沼”に落ちて這い上がれなくなってしまうケースもあるようです。

スマホ 男性

画像はイメージです

 30歳で結婚した山下宏さん(仮名・35歳)は、スマホゲームにハマりすぎた挙句、借金までしてしまい、32歳の時に離婚することに……。今回は、彼がなぜそこまでハマってしまったのか、そしてどのような経緯で離婚にも至ってしまったのか。コラムニストの小川満鈴を聞き手に、赤裸々に話してもらいました。

結婚して半年で妻の浮気が発覚

――どうして借金をするまでスマホゲームにお金を費やしてしまったのでしょうか?

山下宏さん(以下山下):勤続10年でそこそこの給料をもらい、なおかつ社内で素敵な相手に出会えて結婚もできました。正直、幸せいっぱいだったんですが……。

――でもその超幸せの状態なのになぜ……。

山下:結婚して半年くらいの時に、妻の浮気が発覚してしまったんです……。そして、相手も巻き込んで大変なことになりました。でも、僕は離婚はしたくなかったので、なんとか気持ちを抑えてこれからも一緒に頑張ろうって思ったんです。

――それはなかなかの決断ですね。

山下:しかし、妻にはその気はないようで、しばらく別居という形をとって、お互いが1人で考える時間を作ることにしました。となると、やっぱり普通に寂しいんですよ……(笑)。新婚で楽しい世界が始まるぞ! と思っていたところから急に突き落とされた感じで。そして色々な雑誌とかを見て寂しさを誤魔化そうと思っていたんですね。そうしたら、載ってるわけですよ、スマホのアプリやゲームの紹介が。

――なるほど、当時の状況が浮かんできました。

山下:ゲームはPS2で止まっているくらい、しばらくやっていなかったんですが、時間を持て余していたのと、興味本位で無料プレイができるものを片っ端からダウンロードしましたね。無料とはいえ、課金しないとキャラが手に入らなかったり、次のステージに進めないとか、ものすごい購買欲といいますか、課金欲をくすぐってくるんです。

「500円くらいならいいか」が始まり

山下宏さん

山下宏さん(本人に当時の心境を再現してもらいました)

――メーカーも無料で永遠に遊ばれたら商売になりませんからね。

山下:「500円くらいならいいか」と、ゲーム内で使える通貨を買ったんです。すると、世界が広がってきたと言いますか、次々にやりたいことやできることが広がってきた。こうなるともう止まりません。気がつけば1日に5000円くらいのペースで課金していました。

――それはすごい額ですよね……。どうして歯止めが効かなくなってしまったのでしょうか。スマホゲーム以外に楽しいことはいっぱいありそうですが。

山下:あの時期は、自分がすごく情けない人間に思えていて、人に会いたくないという気持ちがありました。ゲーム内であっても自分のレベルが上がったり、ランキングが他の人より上だったりすると自分に価値があるように思えたといいますか……。たまにハッとするんです。課金履歴とかを見て。でも次の瞬間にはまた同じ行動を繰り返していました。ゲームの中でマウントを取って強い自分に惚れ惚れしてしまっている……。

――そして借金までしてしまったという……。

山下:「今日は3000円でやめておこう!」が次第に「今週で最後」「月単位で計算すればいいか……」となって、さらには「どうせ離婚になるんだったら別に楽しいことに使ってもいいよな」となってきた。パチンコは返ってくる可能性があるから違うかもしれませんけど、近い感覚だと思います。

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