築109年のゼロ円古民家を再生。サウナもBBQもあるゲストハウスに
総務省によれば全国の空き家は800万戸超。今、日本中には激安物件が溢れている。市場価値ほぼ0円となったそんな家を“買って”住居に、セカンドハウスに、投資に、ビジネスに転用しようとする人も。
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果たして、ほぼ0円物件とはいかなるものか? 兵庫県赤穂市、東京都奥多摩氏に0円物件を購入した2名のお宅を訪問した。
ガラス工房を事業拡大。アイデアを育む0円物件
兵庫県の西端・赤穂市は、瀬戸内海を望む風光明媚な土地。ここでガラス工房「御崎ガラス舎」を営むオカモトヨシコさんは、つい先日0円物件を購入した。
「工房が軌道に乗るにつれてだんだん手狭になってきたのが悩みでした。そんな折、知人から近隣の0円物件の存在を教えてもらって、すぐに内覧を申し込んだんです」
物件周辺は急勾配で、車の入れない狭い路地の奥という立地。一般的には不便さが先に立つが、オカモトさんはそこに惚れた。
「観光客でにぎわう工房と違い、人が入ってきにくいからこそ、落ち着いて作業や考えごとをするにはうってつけです。工房で場所を取っていたものを空き家に移動させれば、ワークショップ用のスペースも広く取れるし、大きめのバーナーも導入できますしね」
初期投資を21万円に抑えて創作に励む
物件は、2LDKの平屋。0円で譲渡を受けることで発生する贈与税8万5000円のほか、登記関連費用と不動産取得税などを含めて合計21万円ほどでの取得。内部はよく整頓されており、水回りの設備も問題ないという。
「私が7年前に赤穂市に移住してきた当初は、個人事業主ということで賃貸物件が借りられなくて困った経験があります。今後、工房のスタッフを増やすにあたって住み込みの場を提供することで、若い人のチャレンジのサポートにもなればいいなと思います」
新しい器から、彼女の新しい創作活動が生まれていく。