「あと1年でとどめを刺す」コウテイ九条ジョーが語る、初の映画出演で変わった心境
下田とだったら、天下が取れる
――これまでに2度解散されています。“不仲コンビ”と言われることもありますが、一方で「自分たちは不仲なわけじゃない」という発言も聞きました。
九条:解散したときも、お笑いのことで割れたわけじゃありませんでした。最初に解散したとき、相方を20人くらい変えたりピンでもやったりしたんです。でも全然ウケなくて。僕の考えているお笑いを体現してくれるのは下田しかいないんだと感じました。下田とだったら、天下が取れると分かっているので、2度と解散したくないです。
――お互いを認め合っているのですね。
九条:テレビで「不仲でいってください」と指示があるとしんどいです。それを見た視聴者の方は、コンビ仲が悪いんだという印象を持つと思います。でも別に普通です。毎日会って、ずっと舞台に立って。仲が良い悪いじゃなくて、相方です。
――「コウテイ」とカタカナですが、肯定や皇帝といった複数の意味を持つのですか?
九条:実はもともとは身長の高い低いの高低だったんです。僕が184センチで、相方が166センチくらいなので。でもなんだかそれだと恥ずかしいので、後付けで、自分たちが一番面白いんだと肯定していくという意味に変えていっています。あと、お笑い界の皇帝の意味も。いろんな意味があっていいなと思っています。
東京進出は、まだ違う
――昨年はABCお笑いグランプリで優勝しました。普段、尖っている印象もありますが、「賞を取りたい」とはっきり発言していますね。
九条:尖るんだったら、まずお前が面白いんだということを、トロフィーの形で証明しておけよと思うんです。だからどうしても結果が欲しくて。いま賞レースをやめたら、東京のテレビにもたくさん出られる自信があります。でもまだ違う。まずは日本中の方にコウテイを肯定してもらってから、その先にバラエティなどをやっていきたいなと。だから変な言い方ですけど、まだ売れなくていい時期というか。
――いわゆるバラエティにたくさん出るような売れ方はまだと。
九条:そうですね。世間一般の売れるってテレビにいっぱい出られるとか、認知度が大事になってくるのかもしれませんが、それが付加価値としてあってはいいけど、あくまでもプロモーションの一環です。根幹は劇場で自由にできる5分間のネタを死に物狂いでやって、それで面白いと言われること。そこの力をまずはトロフィーに変えないと、テレビに出ても仕方ないと思ってます。
今は相方と虎視眈々と狙っている状態なので、東京進出はしていません。でも呼んでいただくことが多くなっているので、難しい時期なんですよね。
――人気が出てきている肌感覚はあるけれど、まずは大きなトロフィーを手にしてから。
九条:タレント芸人になりたいわけじゃない。今回は俳優をさせていただきましたけど、根幹は芸人で、それを認めてもらえる大会で、自分たちは面白いんだと証明してからじゃないと出ちゃいけないと思っています。「もっとテレビに」「いやいやよくない、劇場、劇場」と。フツフツと心の中で炎を燃やしながら頑張っているところです。