京大卒リーマンから『相棒』俳優に。山西惇の究極の選択「下北沢か、ハワイか」
ドラマ『相棒』シリーズの角田課長役でおなじみの俳優・山西惇さん(@8024atc、58歳)。最近では、京都大学卒の知識と教養を生かして、クイズ番組『Qさま!!』などバラエティ番組にも活躍の場を広げています。
学生時代には関西の人気劇団「そとばこまち」に在籍し、辰巳琢郎さん、生瀬勝久さんらとも知遇を得ます。しかし、大学卒業後、一度は就職してサラリーマンに。そこからどのように現在までのキャリアを歩んだのでしょうか? 前後編のインタビューの前編です。
俳優の原点は「高校の文化祭」
――この季節、自分が進む方向に迷ったり、転機に遭遇することも多いと思うのですが、山西さんも最初から俳優を目指していたわけではないんですよね?
山西惇(以下、山西):じつはそうなんですよ。1番初めに演劇に触れたのは高校の文化祭かな。そこで僕は「仮装」チームに入って、コント的な出し物をやったんです。その時、同級生たちにウケた気持ち良さが、人前で演じることの原点だったかもしれないですね。
――そこから京都大学工学部石油化学科に進学。
山西:本当は建築の勉強をしたかったんです。ただ、せっかく合格したんだから、まずは通おうということで理系の道に進みました。でも、自分としては1番やりたかった建築の勉強をいったん諦める形になったので、その分、なにかひとつ好きなことをやろうと思って、思い出したのが演劇でした。
辰巳琢郎、生瀬勝久も在籍した劇団に
――最初の活動は関西の劇団「そとばこまち」。
山西:いろいろ芝居は観ていたんですが、1番ビビっと来たのが「そとばこまち」の舞台でした。なんだか、高校時代に自分たちがおもしろがってやっていたことの完成形を目撃できた気がしたんですよね。
――当時の座長は辰巳琢郎さん。
山西:説明会のつもりで会場に行ったら、いつの間にかオーディションになっちゃって、気づいたら新人団員として不動産屋さんに電話して稽古場を押さえる仕事をしてました(笑)。当時の「そとばこまち」は、学生演劇とは思えない回数の公演を打ってましたね。