コロナ時代に建設坪単価300万円。“異色の立ち飲み屋”を仕掛け人が語る
「薄い店」に凝らされた工夫とは
――狭いお店だからこそ、建物にさまざまな工夫をされていると思います。来店時の見どころがあれば教えてください。
かずお:外壁角の部分、出隅(でずみ)に「役物」というL字型の金具を使うのが一般的なところ、波板の山部分を板金屋さんに90度曲げてもらい、役物を使わずコーナーを処理しています。これは匠の技なので酒の肴として堪能して欲しいです。
お店のトイレも限られたスペースに収めるため、日本最小の便器サイズを徹底的に調べ上げて、最終的に愛知県常滑市にあるジャニスというメーカーの便器を入れました。
かずお:お店の造りは基礎を高めにしてそこに腰掛けて街を眺めながら酒を飲める「街の縁側」をコンセプトにしています。
その後ろにスタンディング席がありますが、高低差があるので、視線が交差しないようになっています。この”縁側”がコロナ禍で薄れた人と街との関係を結び直すきっかけのひとつとなることを願ってます。
飲んで歌って踊れる街・高円寺
――高円寺ビギナーに酒チャンスの利用プランを提案するとしたら?
かずお:まずは酒チャンスで集合してレモンサワーをキメる。目の前の「極楽屋」か沖縄料理の名店、「抱瓶」を訪ね腹ごしらえ、再び酒チャンスで陶陶酒「デルカップ」を飲んで胃を休める。
その後は酒チャンスの裏にある、山下達郎や甲本ヒロトも出演した伝説のライブハウス「JIROKICHI」で本物の音楽に酔いしれよう。酒チャンスに戻って店長に今日のライブの感想を語りながらオリジナルカクテルをもう1杯なんておすすめです。
そして自分も歌いたくなったらカラオケができるガールズバー「アルカナクラン」に繰り出すか、ロータリーに行けば誰か楽器演奏してるので一緒に歌っちゃおう。
〆のラーメンもたくさんあるぞ。丁寧な出汁を楽しみたければ「六九麺」、刺激が足りない人は「じもん」の勝浦式タンタンメンで超絶にんにく臭くなろう。大丈夫、小杉湯で汗をかけば匂いは抜ける(抜けない)。