まさかのプロポーズに驚き

　Kさんは長く勤めていることもあり、社長にも信頼されている女性。そのため強く断ることもできず、会社の誰かに相談する事もできない前澤さんは、つい彼女のYさん（仮名・当時25歳）に愚痴をこぼしてしまいました。すると――。

「Yは付き合った頃から男前なところが合ったんですが、僕が困っていると言ったら『じゃあその人が寄って来ないように結婚しちゃおっか』とまさかの逆プロポーズをしてくれたんです。近々僕からプロポーズするつもりでもいたので嬉しかったですし、何なら惚れ直しましたよ」

　その後、相変わらずKさんからのアプローチは続いていましたが、Yさんに相談しながら上手くかわし、プライベートではYさんとの結婚話を進めていった前澤さん。1か月ほどで入籍日などが決まり、準備が整ったところでまず社長に報告、そして社員全体にも報告することになりました。

「裏切り者！」怒りのLINEが

　報告している最中、Kさんは呆気にとられた様子で前澤さんを見つめていました。そして、その日帰宅するとKさんからあるLINEが届いたのです。

「LINEには『裏切り者！』と書かれ、怒りの内容がずらーっと書かれていました。ちょっと恐怖すら感じましたね。翌日以降どうなるんだろうという不安もありましたが、そんなときも彼女が支えてくれて本当に助かりました」

　それ以降、Kさんは前澤さんを諦めたのか、LINEを送ってくることはなくなりました。しかし会社では冷たい態度を取られ、一時期社内の空気がピリ付いてしまったそう。それでも前澤さんはしっかりと仕事をこなし、上司から信頼を得ることで大きなトラブルに発展することはなかったといいます。

「僕が中途半端な態度を取ったことも悪かったとは思いますが、あんな大先輩にあんなことされたらどうすればいいのかわからないですよ。でも結婚のきっかけをくれたことには感謝していますし、今はYを幸せにすることだけを考えたいと思います」

＜TEXT／つる＞