元コミュ障アナが語る、SNSで広がる「ラジオの可能性」<吉田尚記×鈴木祐>
社会人になってはみたものの、「やりたいこと」が見つからず悩んでいる人は少なくないはず。今のままでいいのか、それとも転職すべきか、仕事の“正解”を見つけるにはどうしたらいいのか。
『元コミュ障アナウンサーが考案した 会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』(アスコム)で、コミュ障なのにアナウンサーになった経歴からコミュニケーションを円滑にする方法を導き出したニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏(@yoshidahisanori)。
一方、仕事探しの最適解を説いた著書『科学的な適職 4021の研究データが導き出す 最高の職業の選び方』(クロスメディア・パブリッシング)がロングセラーになっている新進気鋭のサイエンスライターの鈴木祐さん(@yuchrszk)。
前回は異色のキャリアを持つ2人から予測不能な人生の中で偶然出会う“やりたいこと”の見つけ方を聞いたが、今回はオタク気質の同世代2人の対談から、SNSによって進化するコミュニケーションを探る。そこから見えてきた新たな可能性とは?
「コミュニケーションはゲーム」
――吉田さんは著書で「コミュニケーションはゲームだ」と説かれています。そう捉えれば、うまくいくためにどうすればいいか、全て納得します。気づいたきっかけは何でしたか。
吉田尚記(以下、吉田):アナウンサーになったからですね。普段、人と話すのにあと何分とか考えることってないですよね。でも、ラジオ番組のゲストコーナーは7分とか時間単位で決まっています。毎日やっているうちに「これって試合時間だ」って気づいたんですよ。対戦ゲームだと思えば、作戦を考えれば何とかなるはずだって。
鈴木祐(以下、鈴木):僕も本を読ませてもらって、確かにその通りだなって思いました。だからルールブック的に書かれているし、すごく分かりやすいんですよね。
吉田:そこに気づくまで時間もかかりましたし、大変でしたけどね。プライベートでは他人とエレベーターで一緒にならないように逃げまわっていたような僕が、アナウンサーとしては毎日コミュニケーション・ゲームに強制ログインさせられるわけです(笑)。毎日がHere comes a new challenger.(ヒア・カムズ・ア・ニュー・チャレンジャー)なわけですよ。
仕方ないから自分で結論に至った
鈴木:完全にゲーセンの『ストⅡ(ストリートファイターⅡ)』じゃないですか(笑)。
吉田:そう! でも、『ストⅡ』も仕事も逃げられない(笑)。そういうルールだったら、そこで勝つ方法を考えるしかないんですよ。誰も教えてくれないですし、話し方の本を読んでも「まずは自信を持ちましょう」とかばっかり。
自信がないからコミュニケーション障害で悩んでいるのに、何言ってんの? って思ってました(笑)。しょうがないから、自分でこういう結論に至ったんです。