新卒で北海道網走に配属された28歳「流氷に感動したのは最初だけでした」
地方転勤の有無は就職先や転職先を選ぶうえでの重要なポイント。ただし、全国に支社・営業所などを持つ企業でも、現在は総合職や一般職、本社採用かエリア採用などで転勤の条件は異なり、応募する段階で選べるようになっています。
配属先はまさかの網走
「それはエントリーする時点で当然知っていました。けど、転勤ありの本社採用の総合職だと給料も高いし、昇進の可能性だってある。さすがに入社早々あんな遠くに配属されるとは思ってもいませんでしたけど」
そう話すのは、全国展開する某大手メーカーに勤める松田洋輔さん(仮名・28歳)。新人研修を終えた後に告げられた赴任先は、なんと北海道の網走でした。
「入社1年目から地方勤務になる社員が多いことは知っていました。ただ、網走はウチの拠点の“僻地ランキング”があったら間違いなく上位に入る場所でした。地元の方が気を悪くしたら謝りますが…」
人に出会わない、めちゃくちゃ寒い場所
「赴任先は新人研修後に知りましたが、網走って聞いた瞬間に固まっちゃいました。まったく予想してなかった場所だったのでショックを受けているのが顔に出たんでしょうね。本社の方からは『食べ物はおいしいぞ!』とか励まされましたが、そのフォローが逆にツラかったです」
ちなみに北海道を訪れたのは、家族旅行と大学時代の友達とのスキー旅行の2回だけ。それも行ったことがあるのは、札幌と小樽、旭川、ニセコくらいで網走を含む道東はまったくの未知の世界。「人が少なくて、冬はメチャクチャ寒い場所」くらいの知識しか持ってなかったそうです。
「現地には5月下旬に着任したんですけど、風が冷たいんですよ。最低気温が5度以下の日もあったし、日中25度以上の日が続いていた東京とは完全に別世界。しかも、網走って市なのに人口が3万5000人程度。私が生まれ育った埼玉県の町ですら4万人以上いたのに、改めてすごいところへ来てしまったと思いました」
網走住民にとっては失礼な話ですが、確かに東京とのギャップは激しすぎました。