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大黒屋の社長は元GSの超エリートだった。華僑に学んだ“お金の修羅場”

ビジネス

経営者はどんな困難も乗り越えるべし

 1997年にファー・イースト・コンソーシアム・インターナショナル・リミテッド社の買収先であった東証二部上場の現:大黒屋HDの経営に参画すべく社長に就任し、その後同社にて大黒屋を買収し、現在に至る。

「いろいろな修羅場もくぐってきましたが、その経験を一言で表すと『お金集めの怖さ』ですかね。企業も、個人もお金がたくさんあるところに寄ってくる。1回の買収で100億円単位のお金が動くわけですから、相応の重圧はもちろんのこと、金融機関や買収先企業との交渉が決裂すれば大きな痛手を被ることにもなり得る。

 経営が芳しくないとき、資金調達しなければ会社は存続できない。悪い時こそどこまで銀行と交渉できるかが鍵となるわけです。今回のコロナのような不確定要素が常に起きることを経営者は頭に入れ、困難を乗り越えなければなりません」

うまい話を見極める「審美眼」が大切

大黒屋

2020年末から2021年1月11日まで「帰ってきた!お宝は家にあるキャンペーン」を実施

 巨額の資金が絡む以上、小川社長のもとには、起業家やベンチャーキャピタルの投資相談から、詐欺まがいの儲け話まで様々な話が舞い込んでくるという

「富裕層には、お金目当てで色々な人が近づいてくる。もちろん、なかには有益な情報もあるが、『お金を騙しとる』ことを目的に話を持ちかけてくることもある。経営者は情報の取捨選択をして、そこから本当にいい情報を見定めていくことが大事です。

 昔は人からの伝聞や書籍が主な情報源でしたが、今はネットの時代で、物事の良し悪しの軸がない。うまい話に乗せられないよう、情報を総合的に判断し、自ら咀嚼して嘘か本当かを見極める目利き力が問われるでしょう

 大黒屋は安定した「鑑定力」と「信頼」から、40~60代の中高年層をメインターゲットにして事業を拡大してきた。しかし、2019年、創業72年を迎えてデジタルトランスフォーメーションのリブランディングを決行し、ロゴを刷新。また、2020年10月にオンライン買取サービス「UTTA!」をリリースし、さらなるターゲット拡大を図っている。

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