“マスコミ一択”で就活するも全落ち。妥協して入った会社は驚きの超ブラック
ロケ車に置いて行かれて男の部屋に
ロケ帰りで疲れていた慶子さんは、ロケ車から下ろされた場所からタクシーで1000円ほどだというスタッフ男性の部屋に泊めてもらうことになりました。
「急だったので、着替えなどもなく、着ていたスウェットとジーンズのまま、ベッドに横になっていました。向こうは、残った仕事があったので、ずっとパソコンに向かっていました。部屋にはほかにソファがあったので、そっちで彼は寝ると思ったんです。
それなのに、仕事が終わると私が寝ていたベッドに入ってきたんです。これは危険だと思ったので、慌てて背中を向けて寝ました。すると、彼も体を近づけてきたので、『そういうつもりはないから』とはっきりと断りました。彼は残念そうにしていましたが、職場の人とそういうふうになるとは思っていなかったのでショックでした……」
しかし、悲劇は続きます。
泊まったことが社内で噂に
「次の日、出社したら私が男性ADの家に泊まったのが周りにばれていたんです……。男女の仲を疑われたのですが、否定しました。全部つつぬけで、そういう話をしている男性陣たちのこと、軽蔑しましたね。それを先輩社員に言ったら『この業界、そういうの普通だよ』と言われて、ますます人間不信になりました…」
社内の軽いノリについていけなかったという慶子さんでしたが、仕事上の作業も精神的にきつかったといいます。
「直販サイトで販売するDVDに付ける特典のハンカチをすべて手作業で封入するという作業があったんです。上司に理由を聴いたら、『自分たちでやるほうが安いから』という回答でした。休日返上して出勤して、ハンカチをずっと畳んで包んでいました。
数千枚分あったので、いつまでやっても終わらず。“私はいったい何をやっているんだろう”と悲しい気持ちになりました。ほかにもDVDの価格にミスがあって、価格部分だけを刷りなおしたシールを、ピンセットでつまんで貼る作業も、神経がすり減りそうで辛かったです」