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4日間一睡もできない…映画業界の新人が体験した“ブラック現場”

コラム

ロケ関係者の畑仕事の手伝い

 まさに、トラウマ級の現場ともいえる、初仕事。しかし、想像以上の出来事が起きます。

「地方ロケでは、撮影のためにフィルムコミッションという撮影の支援事業が関わっているんです。地元のロケ地と、映像関係者をつないでくれる重要な立場なのですが、このロケでは、なぜか、そのフィルムコミッションの撮影コミッショナーの実家の畑の手伝いもさせられました

 ロケだけでも大変なのに、収穫や野菜の袋詰めもしました。『いったい私、何屋さん?』と不思議に思いましたが、初めての現場だったので、これが普通かなと信じてしまいましたね」
 
 ほかに比べる仕事や経験がないと、それが当たり前だと思ってしまう。仕事を始めたばかりのときには、ありがちなことなのかもしれません。

「部屋飲みしないか」上司のセクハラ

セクハラ

「それだけなら、まだ仕事のうちだと言えるのですが、同じチームで働いている上司から、『部屋飲みしないか』と、しつこく誘われたんです。次の日も現場で会わなければならないので、断る理由を考えるのに必死でした。ロケの最終日には、帰りの車で家の場所を知られてしまい、その後も『家の近くまで来ているから飲もう』という連絡がきたり、最悪でした」

 映画よりも、唯さんの状況を撮影したほうがドラマティックな気がしてきますが、この撮影がきっかけである変化が起きたそう。

「実は、心身ともに疲れて2週間の撮影で7キロやせました。『こんなに映像業界って辛いんだ』って肌で感じました」

 そんな唯さんですが、何とか辞めずに今日まで働き、今では撮影現場では中堅スタッフに。この時の教訓を生かして、新人スタッフには、ムダに嫌な思いをさせないように努力をしているそうです。

<取材・文/池守りぜね イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

出版社や、web媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は子供と一緒にプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ

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