在宅勤務の新しい装い「テレウェア」は本当に快適か。プロがレビュー
すっかり世の中に定着しつつあるテレワーク。出社しない働き方がビジネスマンのライフスタイルを劇的に変えたことは周知のとおりです。最近では紳士服各社が在宅勤務に対応した新時代のビジネスウェアを打ち出し、にわかに注目を集めています。
コロナ前からビジネスファッションのカジュアル化は進んでいましたが、テレワークの装いとしては少々窮屈かもしれません。とはいえ、寝巻きのような「家着」で仕事をするわけにもいかず……。どんな格好をすればよいのか困っていた若手ビジネスマンも少なくないはず。
のべ4650人を超えるビジネスマンの買い物に同行する服のコンサルタント『真似するだけで印象が劇的によくなる 38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者が「テレウェアの選び方」を紹介します。
各メーカーが続々と「在宅用」を発表
まずは各社の「在宅勤務用スーツ」をおさらいしてみようと思います。
紳士服量販店AOKIが開発した「洗える ストレッチ ダンボールニットカーディガンジャケット(通称・パジャマスーツ)」はパジャマ以上、スーツ未満のキャッチフレーズがとても印象的。
触り心地が良く、伸縮性があるので、リラックスして着れそうです。襟のデザインがノーカラー(エリがないデザイン)になっているため、カーディガン感覚でも着られ、これならオンライン会議でも違和感を与えることはないでしょう。
そして、THE SUIT COMPANYは「ブルーパッケージ」というラインナップを販売開始。新感覚のビジネス“リラクシング”ウェアをコンセプトにしています。
なかでも注目は白シャツ。正面からはベーシックな白シャツですが、実は、袖と後ろ身頃をジャージー生地に切り替えたハイブリッドデザインです。“きちんと感”も出しつつ、動きやすさと快適さがあるため、肩肘張らずに仕事に取り組めそうです。
豊富なサイズ展開でぴったりのチョイスが可能
そんななか「テレウェア」という新ジャンルを提唱し、ジーンズブランドEDWINとコラボした在宅用ビジネスウェアを打ち出したのが、「紳士服のはるやま」が展開するツープライスショップ「P.S.FA」。
今回は実店舗に足を運び、「デニム風セットアップ」を着てみることにしました。
カジュアルな型を採用したAOKIに対して、P.S.FAはドレスライクな型を採用しています。要は、ジャージー感覚の快適な着心地とは裏腹に、エレガントな雰囲気を醸し出してくれる一着。世の中に楽ちんなビジネスウェアは数多くありますが、「きちんとしながらも楽ちん」という新たな切り口です。
コラボによる化学反応は、サイズのバリエーションにも現れています。紳士服メーカーはJIS規格で定められたY体・A体・AB体という表示を使うブランドが多いなか、このセットアップはカジュアルブランドの「S/M/L」サイズ表記と、同時にY体・AB体という2つの基準を用意。つまり同じSサイズでも細身とふっくら体形のどちらにも対応しているということ。