実はあまり群れないタイプ。友達は少ない

　今年も多くの人を巻き込み、社会を動かしてきた巻さん。だが、意外にも「友達は少ないんです」と嘲笑気味に語る。

「僕はどちらかというとあまり群れないタイプ。会合とかがあってもいつも隅にいるので、妻に怒られたこともありました（苦笑）。『孤高』と言いたいところですが、高くはないんですよ。孤独で低い。だから『孤低』？ ですかね（笑）。

　サッカー界には、ヒデさん（中田英寿）や本田圭佑選手のように、自分から発信して物事を作り上げていく選手もいますが、僕は下から徐々に積み上げて物事を作り上げていくタイプ。同じような社会貢献の取り組みを行っていますが、進め方の違いは感じますね」

社会経験を積んでからサッカー界に戻りたい

　2021年には子供達を対象にしたサッカー大会や、無償で海外へのチャレンジができるというプログラムも実現させる予定だという。

「子供達が抱いた夢を叶えるために、きちんとした後押しができる人材はまだまだ少ない。サッカー選手は夢を与えられる仕事だと思いますし、夢の掴むきっかけ作りを後押ししていきたいです。個人的には、将来『Jリーグで監督をしてみたい』という夢はあります。

　一般的にはコーチなどを経験してから、監督に就任するケースがほとんどですけど、僕は、一度社会に出て事業を形にしてから、サッカーの世界に戻ってきたい。そういうキャリアの方はあまりいないですし、もし実現することができたら面白いんじゃないかなと思います」

　現役時代と変わらず、ハードワークをこなしながら日々過ごす巻さん。「まだまだ実現できていないアイデアがたくさんある」と話す彼の今後の動きにも注目したい。

＜取材・文・撮影／白鳥純一　写真提供／©makiphoto＞