TOEIC800点超でもわからない「マックで使う英語の基本フレーズ」
「日本を飛び出して海外赴任してみたい」という夢と希望を持って英語を勉強している人も多いと思います。海外で英語を使ってばりばり働くためには、TOEICの点数はどれぐらい必要なのでしょうか?
先日発刊された『TOEICⓇ頂上作戦! プラチナ英単語830』(扶桑社)の著者であるTOEIC900点倶楽部のメンバーに、実際に海外で仕事するうえで必要な英語力、そのためのTOEIC勉強法について、自らの経験をもとに語ってもらいました。
今回はセキュリティー系のIT企業でコンサルタントとして働く福島栄二さん。英語の勉強を始めたのは海外に赴任したかったから。その努力の甲斐あって、アメリカのシリコンバレーやシンガポールなどに海外赴任するなど豊富な海外経験がある。
2010年にはTOEIC945点のほか、英検1級も取得。今も世界各地のITエンジニア・コンサルタントと英語を使って、高度なIT関連の仕事をこなしている。
800点超えでも悩んだ「マクドナルドの会話」
――ITコンサルタントとして今も第一線でお仕事されているそうですが、TOEICはビジネスで英語を使うときにどんなふうに役立ちましたか?
福島栄二(以下、福島):私がアメリカへ赴任したのは2002年の年末ですが、その半年ぐらい前にTOEICで875点を取っていました。赴任直前にはベルリッツに通ってアメリカでの生活に備えました。
しかし、実際に向こうで生活を始めると、マクドナルドでは「For here? to go?(店内ですか、持ち帰りですか?)」という超基本的なフレーズが分からなくて、「Take out?(和製英語の持ち帰り)」と言ったら店員さんに変な顔をされました。
他にも生活をしていくうえの基本的なコミュニケーションのための英文が分からないことがたくさんありました。その意味では、TOEICで860点を取っていても、ビジネスでは使えないとも言えるかもしれません。
海外赴任して仕事をこなすには何点必要?
――TOEICは日常会話には弱いということでしょうか?
福島:やはりTOEICのL&R(リスニング&リーディング)テストはあくまでもリスニングとリーディングの能力を試すテストですから、ビジネスに必要な、スピーキングとライティングができなということになれば、いくら875点取っていてもビジネスには役立たない、ということになるでしょう。
ただ、TOEICで860点以上取れていれば、基本的な文法問題であるテストのPART5や6はできていると思います。リスニングのPART3や長文読解のPART7もだいたい、できているのではないでしょうか。
そのレベルであれば、相手の言っていることがちんぷんかんぷんということはないはずです。でも、TOEIC860点超えで苦しんでいると、海外でビジネスをするにはきついかもしれません。