敏感すぎて疲れる「繊細さん」。“繊細度”を測る10つの質問
“繊細さ”の気質は治すではなく受け入れる
前出の高梨さんは、文末の「『繊細すぎる人』セルフ診断リスト」の10項目すべてに思い当たる部分があったという。
「上司が同僚を怒っていると、どちらにも感情移入してしまって頭の中がぐちゃぐちゃに。会議でも飲み会でも、自分の言葉がどう受け取られるか不安で、とっさに言葉が出てこない。そうやって相手に合わせようと脳をフル回転させているうちに、何もしてなくても疲れてしまうんです。五感への刺激も敏感で、いろんなにおいが混ざった満員電車に乗ると、息ができなくなるほど苦しくなります」
当の本人からすれば、この生きづらさの原因である“繊細さ”が気質である以上、折り合いをつけるのは難しい。だが、「繊細すぎることを認めるだけでラクになる」と話すのは、HSPの対処法をまとめた書籍を上梓した医師、西脇俊二氏だ。
「HSPに起因して、うつ、パニック障害、強迫性障害などの二次障害を併発している患者は少なくありません。まずすべきは、自分が繊細であることを認め、外部刺激に対する心や行動の反応を意識的に変えていくこと。かつて発達障害が世に広く認知され、生きづらさの原因が脳にあるとわかった途端にラクになった人が多くいました。生きづらさの根元が自身の気質にあることがわからない限り、対処法も検討できません」
また、テレワークの普及でよりコミュニケーション力が求められる時代になった結果、繊細すぎる気質の人は、生きづらさが助長されている。自身だけでなく、周りにもいる可能性が高いHSP。まずは該当する特徴の数をチェックし、その傾向を探ってほしい。
「繊細すぎる人」セルフ診断リスト
【「繊細さん」セルフ診断リスト10問】
① 誰かが怒られていると自分のことのように感じる
② 多くの仕事を同時並行で進められない
③ 机が汚くて仕事に集中できないのに片付けが苦手
④ 相手の気持ちが気になって自分の意見が言えない
⑤ 資料作成で細かい部分が気になって時間がかかる
⑥ 場の雰囲気が悪くなると「自分のせい?」と思う
⑦ 換気扇や冷蔵庫の音などが気になる
⑧ 飲み会など盛り上がる場にいると疲れてしまう
⑨ 映画や本などですぐ感動して泣いてしまう
⑩ 繁華街や電車の中では息苦しさを感じる