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コロナ禍で内定先が音信不通に…月収5万の同人作家になった24歳の悲劇

学び

 新型コロナウイルスによる未曾有の事態に、事業縮小や倒産を余儀なくされている企業が少なくありません。その結果、内定取り消しや採用見送りも起きており、新社会人や転職予定の若手にとっては他人事ではいられません。

就活

※画像はイメージです(以下、同じ)

夢のゲーム会社への内定が出たと思いきや?

 同人作家の川瀬崇史さん(仮名・24歳)もその被害者の一人。2020年4月からゲーム会社に就職予定でしたが、新型コロナによってその予定を大きく狂わされたのだとか。

「専門学校卒業後、3年ほど同人活動をしていましたが、去年、心機一転して就職活動を始めました。本来なら今年の春からゲーム会社で働いている予定でしたが、今はアルバイトをしながら新たな就職先を探しています」

 新卒入社をしなかったのはなぜでしょう。

「僕が通っていたのはアニメやゲーム関連の専門学校で、卒業前にゲーム会社でインターンをしました。そこに就職しようと思っていましたが、インターン中に大規模な解雇があり、新人ができる仕事も、仕事を教えてくれる人もいなくなってしまったので、断念しました。同人活動を始めたのはそのタイミングでした」

同人活動と警備バイト。二足のわらじ生活

同人作家

同人作家の川瀬崇史さん(仮名・24歳)

 一口に同人作家と言っても、ガッツリ稼いでいる人から、趣味でやっていてほぼ儲けがない人までさまざま。「人気同人作家は年収1000万円を超える」などとも言われるようですが、崇史さんの就職活動前の収入はどのくらいだったのでしょうか?

「僕の同人誌1冊の売上は15万円ほどで、そのほかにキャラグッズの製作もしています。最大で年に4冊書き下ろし、年に6回ほど販売イベントに参加していました。もちろんそれだけでは生活できないので、警備のアルバイトで月15万円ほど稼いでいます。実家暮らしなので、お金はそんなに使わないんです

 就職前からしっかり稼いでいる崇史さん。そんな生活をするなかで、なぜ就活をしようと思ったのでしょうか?

「安定した生活や収入のためにというよりも、絵を描くことを収入の100%にしたかったからですね。なかでもゲーム会社を第一希望に、クリエイター向けの転職サイトを使って就活を始めました。本業はゲーム制作、サブとして同人活動を続けていこうと思っていました。求人の中でも給与内訳がきちんと書かれていた会社を受け、無事に2019年末に内定をもらいました。書類を年末に渡し、2020年3月に詳細の連絡が来る予定でした」

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