コロナ感染率の低さNo.1の岩手県に、帰省して抱いた違和感
新型コロナウイルスの感染状況は、47都道府県で大きく異なります。感染拡大が心配されはじめていた3月下旬頃、SNSでは「最後まで感染者ゼロの県が最も田舎と言えるのでは?」ということで、「#田舎センバツ」などというハッシュタグも流行りました。
しかし、全国で唯一感染者が出ていなかった岩手県でも、7月末についに感染を確認。とはいえ、今でも岩手県内の感染者数は累計26人だけ、人口10万人当たりの感染者数も全国でダントツに少ないのです(10月21日、厚生労働省)。
そんな岩手県に8月に帰省した田中よしえさん(仮名・30歳)は、思いもがけない目に遭ってしまったのだとか。
迷った末、帰省することに
専業主婦のよしえさんは、夫と二人暮らし。新型コロナの心配はあったものの、例年通りお盆に岩手県内の実家に帰省しました。
「今年は帰省をやめるか迷いましたが、毎年、お盆とお正月には帰っていますし、実家には高齢の祖母がいるのでしっかりと対策したうえで顔を見せに行くことにしました。ただ、旦那は念のため東京に残って、私一人だけで帰りました」
ガラガラの新幹線で帰省し、地元の駅に着いた時点ですでに違和感を覚えたと言います。
異常に警戒態勢な地元民
「地元は大変な田舎なので、お互いが顔見知りなんですね。だから、普段見かけない人はすぐにわかる。私が道を歩くと、あからさまに避けて通られました。ヨソから来た人はウイルスを持っていると思っているみたいで……。前から来る人が私に気付くと道の反対側に移動したり、極端な人は手前で曲がったりするんです」
岩手県はこれまでコロナ感染者ゼロを継続していただけに、いっそう警戒感が高まっていたのでしょう。
「実は岩手は、厚生労働省の接触確認アプリCOCOAのインストール率も一番高いみたいで。東京よりもずっと感染対策の意識が高く感じられました」
官公庁ではなく、あくまで民間の調査ですが、ユーザー参加型のランキングコミュニティ「みんなのランキング」運営する株式会社HANABISHIが6月に全国のCOCOAの普及率について行ったアンケートによると「COCOA」のインストール率は、岩手県が19.2%でもっとも多い結果に。ちなみに、2位は大阪府(18.0%)、3位は埼玉県(16.0%)でした。