JR九州、新観光列車『36ぷらす3』を満喫。新感覚の畳敷き客室も
2号車は車椅子対応座席も
2号車の客室は2種類を用意した。いずれもパーテーションの高さを抑えることで、明るく、開放的な空間としている。定員は4室合計20人、使用樹種はペアウッド。
1つ目はJR九州初の6人用個室で、4人から利用できる。3室あり、座席はすべてソファー。テーブルは折り畳み式を用いている。
2つ目は車椅子対応座席で、車椅子の方、介護者が利用できる。座席は革張りのリクライニングシートで、側窓に向けることで車窓を眺めやすくしている。なお、車椅子利用客がない場合は共用スペースとなる。
デッキには多目的スペース、多目的トイレ(車椅子に対応するほか、ベビーベッドも備える)、男性用トイレを配している。トイレはすべて洋式、温水洗浄便座完備で、使いやすい。面白いのはトイレのドア。男性用は「男」、女性用は「女」、多目的トイレは「女男車イス」と大きい文字で表記され、豪快に映る。
3号車の注目はビュッフェリターンズ
3号車の車両は波瀾万丈で、当初は4人用セミコンパートメントとビュッフェの合造車だった。しかし、九州新幹線新八代―鹿児島中央間の開業を前に、ビュッフェを撤去し、座席車に変えることで輸送力増強を図るため、2002年から編成全体のリニューアルを兼ねた改造を実施(ビュッフェつき車両のみ対象)。ビュッフェは2003年2月7日に営業を終えた。
『36ぷらす3』は“「ゆとり」と「くつろぎ」を最大のウリ”とする車両なので、17年ぶりにビュッフェを復活させることになった。
“令和のビュッフェ”は、カウンター天板、窓枠にホワイトシカモア、床、壁、カウンター腰に、新型コロナウィルスに強い銅板を用いることで、モダンで、落ち着いた空間に仕上がった。カウンター付近にリーチイン冷蔵庫を設け、九州の飲食類を陳列する。
また、カウンターの隣に業務スペースを設け、車内での昼食の提供準備に活用するという。
一方、4人用セミコンパートメントは、その面影を残すかたちで2人用個室にリニューアル。背もたれを極力高くしたソファーで、着座幅も広い。1人での利用も可能である。定員は6室合計12人。使用樹種はベイマツ、ペアウッド、ブラックウォールナット。