セガ、20年ぶり「プリクラ市場」に再参入。なぜ今なのか、開発者に聞いた
「モーメント」「ARプリクラ」の機能も追加
写真の盛り方に工夫がみられるのはもちろん、SNSなどが定着した現代ならではの機能も追加したといいます。
「3秒動画を撮影できる『モーメント』と呼ばれる機能は1つのポイントです。シャッター前、あるいは前後3秒の動画を盛ったもので、弊社の会員サービス『プリクラON』で静止画と共にダウンロードしていただけます。最大で静止画で6枚、動画で6枚の合計12枚をデータとして入手可能です。
また、撮影した写真をSNSで活用するのが一般的にはなっていますが、現物としてのシールに付加価値をもたらすために『ARプリクラ』という機能も開発しました。先ほど述べた会員サービス『プリクラON』アプリの専用カメラをかざすと、スマートフォンの画面内で被写体が動き出すようになっています。『ARプリクラ』は今秋の正式稼働時に楽しめるようになる予定です」(宮中)
「プリクラでもセガらしさを」社長の言葉
試行錯誤の末、7月7日に情報公開されたセガのプリクラ最新機種「fiz」は「予想以上に反響をいただいて驚くほど」と話す有川さん。今後の展望についても、語ります。
「筐体の外装や各種の機能も含めて、トレンドをつかみながら積極的にバージョンアップを図っていきたいです。会員サービス『プリクラON』の活用などさまざまな課題も残っています。
じつは、開発段階で弊社の代表取締役社長COOの杉野(行雄)から『プリクラでもセガらしさを』と言われたことがありました。ときには世の中に出すものが『10年早い』と揶揄されつつも、古くから革新的な技術を提供してきた自負が私たちにはあるので、セガに流れるチャレンジ精神は崩さず、今後も拡充を図っていきたいと思います」(有川)
<取材・文/カネコシュウヘイ>