「ヒゲ剃りは洗顔後に」シック・ジャパン社長が語る “楽しい”スキンケア
ヒゲ剃りを楽しいものにする
シックは今年で日本上陸60周年を迎える節目の年になる。これまで事業の柱として行ってきたシェービング事業を、さらにスキンケア領域へとビジネス領域を広げるために「ヒゲ剃りそのものの考え方を変えたい」と、村野氏は話す。
「シック・ジャパンの親会社である米エッジウェルのパーパスに『We make useful things joyful』というものがあります。今後はこの中で“joyful(楽しさ)”の部分に力点を置いてビジネス展開していきたいと考えています。
これまで粛々とシェービング事業をやってきたおかげで、男性・女性向けの製品ともに国内シェアNo.1にまで成長しましたが『ヒゲ剃りは楽しいものか』と言われると、そう感じる人はあまりいないのではと思ったんです。
あくまで身だしなみの一環として、ヒゲ剃り、ひいては体毛処理を行うのが常であり、『マイナスからゼロにする』だけにとどまっていたものを『プラスに変える』ようにシェービング自体をスキンケアにまで昇華したいと。これからは多様化したライフスタイルに寄り添えるようなブランドを目指していきたいですね」
RIZAPコラボの商品が好評を得た理由
ただ漫然と体毛処理を行うのではなく、どのような商品訴求をすればシェービングをする時間を楽しく思ってもらえるか。こうした「発想の転換」から、新たにスキンケア領域でのビジネス展開をしていく予定だという。
「今年4月からRIZAPとコラボした『シック ハイドロ ボディグルーマー RIZAPコラボ』を販売したのですが、これが非常に好評でした。ボディメイクして理想の体を創るRIZAPとシナジーを生むために、体毛処理を“ボディグルーミング“と銘打ち、ボディグルーミングで『俺のカッコイイを創る!』というコンセプトで訴求したところ、新たな男性の体毛処理ニーズを掘り起こすことができた」
もともと、体毛ケアよりもファッションに興味を持つ男性が多いなか、女性は体毛処理をしていない男性に対して嫌悪感を抱きやすいという調査データもある。
「筋トレして体つきをよくしたり、おしゃれなファッションを着こなしたりするだけでなく、ボディグルーミングをすることで、より『男性のカッコイイ』を引き出せればという思いから、今回のコラボ商品が生まれました」