三菱商事出身の新社長が斬り込んだ「カンロ 60年目のタブー」
成長著しいグミで海外展開を目指す
最後に今後の事業展開について「得意領域のキャンディで海外へ打って出る」とし、次のように抱負を述べた。
「会社として成長を目指す場合、キャンディ以外の分野に出るか、あるいは販路を広げるか。この2つの選択肢しかありません。カンロはこれまでキャンディ以外の商材にもチャレンジしてきていますが、結果としては鳴かず飛ばずでした。
今後は創業以来ずっと向き合ってきたキャンディに軸足を置いて事業展開していく予定です。日本の市場は限りある中で、海外展開をいかにしていけるかが、今後の成長の鍵となるでしょう。私が三菱商事時代に培ったグローバルでの勝ち筋を参考に、海外でカンロブランドが親しまれるよう努めていこうと思います」
海外のキャンディ市場は未成熟
具体的には、ノンシュガーの飴やグミに勝機を見出しているという。
「海外のキャンディ市場は成熟しておらず、特に飴に関してはブルーオーシャンだと思います。健康志向に合わせた甘味料を使わないノンシュガーの飴は外国の方にも受け入られるのではと考えています。
また、グミに関しては、カンロのグミの商品力は世界でも十分戦えると思っていて、あとはどう販路を拡大できるかが焦点ですね。食品メーカーで海外展開に成功している事例にカンロも加われるよう目指していきます。まずは、中国含めたアジア圏内から展開していく予定です」
ウィズコロナ時代に即した新しい働き方の導入や新型コロナウイルスの被害を受けた人に対する支援活動「キャンディエール」施策で足場を固めながら、海外展開の準備も進めているという。今後のカンロの成長に期待したい。
<取材・文/古田島大介>