一時は利益10倍も…仮想通貨を「自動売買で稼いだ」男の顛末
――自動売買プログラム……というと、勝手に投資をしてくれるということでしょうか?
斎藤:はい。事前に指値や成り行き、値など自分で何をしたいか決める必要がありますが、APIが公開されている取引所であれば比較的簡単に作れますね。
――簡単に……例えば、プログラミング未経験者が作ろうと思ったらどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
斎藤:3日間あればできるんじゃないですか(笑)。取引所が公開しているAPIの仕様書が読めて理解できれば、あとは書くだけです。難しいのは、書くことではなく自分がなにをしたいのか、どういうルールを作れば儲かるのか、考えて決めることですね。
――確かに、儲けるルールを思いつくのは至難の業ですね。斎藤さんの自動売買プログラムは、どんなルールで書かれたのですか?
斎藤:基本的には、ボリンジャーバンドとヒゲの組み合わせです。仮想通貨に投資するようになって、おのずと投資のことも調べ、ファンダメンタル分析やテクニカル分析などを知りました。テクニカル分析のなかでも、比較的係数が少ないボリンジャーバンドから自動売買に組み込みました。
――ボ、ボリンジャーバンド?
斎藤:ボリンジャーバンドは、株式市場だと株価は上昇と下降を繰り返すが、ある一定の幅から極端に離れる確率は高くないという考えのことです。つまり、上昇幅と下降幅からの乖離が大きくなり、行き過ぎた状態の時に、自動で売買するように指定します。
具体的には、値が高く行き過ぎた場合には売り、安く下がり過ぎた場合は買いという逆張りの手法です。一方で、仮想通貨は株価と違って、価格が非常に不安定なため、手放しにはできないのが実態ですが……(苦笑)。
――(ほとんどわからない……)はじめに、儲かっていないとおっしゃいましたが、自動売買プログラムでも儲からなかったのでしょうか?
斎藤:はい……。というのも、ボリンジャーバンドが上に突き抜けたらだいだいあがるのはなんとなくわかったのですが(苦笑)。プログラムは、手動で止めないと永遠に繰り返すので、怖くてすぐプログラムを止めましたね(笑)。
ただ、手元に資産があれば同じことを繰り返せばよいだけなので、もっと資産が増えたらまたやりたいですね。それと、市場が安定しているときじゃないと厳しいです。あと、僕はチキンだから大きい金額は賭けません。試しにやってみただけだったので(笑)。結局、勇気がある人が何百万も儲けているのではと思います。
――なんとも、難しい世界ですね……。これからも引き続き仮想通貨に投資をされていかれますか?
斎藤:はい(笑)。ただ、同じコインにですけどね(笑)。もともと、仮想通貨に投資したお金は余剰金だったので、取り戻そうという気はないです。
昨年末に投資した草コインが10倍になった瞬間は、仮想通貨をすすめてくれた友人と夜な夜なチャットで盛り上がったのが懐かしいです。もちろんお金は増えたら嬉しいですが、それよりもギャンブルの側面が強いです(笑)。