冷徹なる虎・南原竜樹社長が“無気力な若者”に吠える!「たいていのヤツラは甘えてる」
日本は世界でもまれにみるほどに貧富の差が少ない国
――昨今、20歳から36歳くらいまでの“ミレニアル世代”の間で、出世欲がない一方で起業などに関心のある若者が増えているという話もあるのですが、その点について何か思いはありますか?
南原:起業やフリーランスを選ぼうとしているなかには、楽をしたいという人たちもいるんじゃないかな。たぶん、「会社に行くのが面倒くさい」とか「上司に文句を言われるのが嫌だ」という単純な理由で逃げようとしている人たちも多いと思うよ。
朝は適当な時間に起きられて、通勤電車にも乗る必要がない。それでボチボチ稼げればいいなんて思っていそうだけど、明日の金に困ったりするし、本来ならば給料をもらっていたほうが精神的によっぽど楽だしね。
――これまでにあった物欲がなくなっているという話はもちろん、目標を失っている人たちもひょっとすると多いのかもしれませんが、これからの日本はどうなっていくと思いますか?
南原:このままだと国力が落ちていき、経済レベルでも世界でさらに負けていくんじゃないかと思ってる。選挙の時期に「貧富の差をなくしてほしい」と答えていた人がいたけど、日本ってさ、本来は世界中でもまれに見るほど貧富の差が少ない国なんだよね。
例えば、共産主義国といわれる中国ってじつは、世界一の資本主義国でさ。工場の労働者が月給で3~5万円もらっている一方で、工場長になると100万円も稼げたり。それに比べたら、日本は格差を是正することにものすごく成功した国家なのに、だんだんとみんなが何も考えなくなってきたことで、貧困国への道をひた走っているようにみえるよね。
――最後に、若者へ向けてメッセージをお聞かせください。
南原:結局は目標が必要で、本人が何をやりたいかだよね。今、若者の起業家が集まる交流会へ行くと、ギラギラしたお兄ちゃんたちもいっぱいいるんだよ。「打倒南原ってハチマキを巻いてやりますから!」なんて言ってくれる、情熱を持ったヤツらもたくさんいてさ。就職しようが起業しようが失敗して立ち直れないことなんてないんだから、思ったことに向かって突き進んでもらいたいよね。
そういう意味では、起業っていいんだよ。学歴で区別される就職と違い、頭が悪くても成功するチャンスがあるから。自分でゴールを決めて、親世代のいうことなんて聞かずに“大人”として「自立せい!」と言いたいね。
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かつて『マネーの虎』では“冷徹なる虎”として時に、志願者から恐れられていた南原社長。表情を変えず淡々と話す姿はその頃と変わらないが、今回のインタビューでは意外にも“根性論”を力説する姿が印象的だった。
<取材・文・撮影/カネコシュウヘイ>
【南原竜樹氏】
’60年、岡山県生まれ。LUFTホールディングス代表取締役。年商100億円から負債100億円に転落した後、復活を果たす。著書に『借金100億円からの脱出』(河出書房新社)ほか