エアコンつけっぱなしも節約に?ダイキンに聞いたお得な使い方
なぜエアコンをつけっ放しでもいいのか?
つまり、こまめに切るのが節約になるとは限らないわけだ。どうしてこのような実験結果になったのか、重政氏はこう話す。
「エアコンは運転を始めてから部屋の温度をぐっと下げないといけないときに、一番電力を消費する。つまり、部屋が冷えてしまえば、それを維持すればよいためさほど電力を使いません。けれど、電源を切ってしまうと、また上がった室温を下げなければならない。また頑張って部屋を冷やさなきゃいけなくなるわけです」
自転車に例えるのであれば、漕ぎ出すときが一番大変(消費電力が多い)で、スピードが乗ってきてからは、あまり力は必要じゃなくなる(すなわち消費電力は少ない)という仕組みのようだ。
これからのエアコンの買い換えポイント
テレワークの普及によって、エアコンを新たに仕事部屋に設置したり、買い換えを検討したりする人が増えている。その際に注意すべきなのが、エアコンの性能だ。購入段階で「どのくらいエアコンがお得に使えるかは、ある程度決まってしまう」のだ。
「エアコンは同シリーズでも、いわゆるエントリーモデルからハイエンドモデルまで数種類あるのが一般的です。導入コストが安いのは言わずもがなエントリーモデルですが、ハイエンドモデルは省エネ性に優れています。本体価格差が10万円違っても、1kWhを27円と仮定して10年間使い続けると、コストが逆転してしまう例は珍しくありません。このように『消費電力量期間』を考慮することで、結果的にお得な買い物ができますよ」
また、価格にこだわるあまりに実際に設置する部屋よりも狭い部屋が対象のタイプのエアコンは、効率的に冷却できず、結果的に消費電力が上がってしまうリスクがあるので注意が必要だ。今年の夏はエアコンを上手に駆使して乗り切ろう!
<取材・文・撮影/藤冨啓之>